27
「おうニーナ久しぶり、そういやココで会うのは初めてだな」
天界に異界流しされて以来何回か来てるのにお互い全く会わなかったっていう、ある種の奇跡。
聖域ってそんな広いワケじゃないのに。
「久しぶりって…!確かにそうだけど、なんでココに!?」
「なんでって…今回は精霊王に用事があるから?ソレに昔からちょいちょい来てるぞ」
「うそっ…じゃあなんで教えてくれなかったの?」
「いや、どうせその内会うだろうって」
ニーナ達の事を忘れてた、なんて言ったらリザリー達にチクられてえらい事になるから秘密で。
「もー!創造主のバカ!ココで会えるってもっと早く知りたかったのに…!」
「まあ今知ったんだからソレで良くね?」
5、6年前に知ってたにせよ3、4年前に知ってたにせよ…どのみちコイツらじゃ数日数週間前みたいなもんだろ。
「そうだけど…生身で会えるならやっぱり早い方が良いもん」
ニーナは納得いかないような感じで呟くと拗ねたようにソッポ向く。
あっと、そういや魔剣の事について説明不足だったか…
魔剣や妖刀に宿るナニカってのは例外や特殊な場合を除くと、喚ばれてない場合はほとんど自分達の世界に居る。
魔剣や妖刀といった器はいわば別荘みたいなモンだと思ってくれたら分かり易いかも。
まあ召喚術みたいなもんかな?
契約した使い魔とかでも喚んでない時は自分達の世界に居るじゃん?
リザリー達はニーナ達が魔剣に居ない状態を寝てるって表現をしてるんだけど。
例外や特殊な例として、器…別荘から離れないヤツも居たり。
その場合はただ単に別荘の方が居心地いいから還りたくないとか、自分達の居た世界でゴタゴタを起こしたから還りたくないor還れないとか。
そういうワケで、ニーナ達からしたら聖域がホームで生身ってワケだ。
「だから悪かったって…ほら、頭撫でてやるから」
俺は一応謝りながらニーナの頭を撫でた。
「はふぅ…しょ、しょうがないから許してあげる」
「ああ、そりゃ助かる」
ニーナがちょっと満足そうな顔をしたのでとりあえず笑ってお礼を言う。
…つーか、許すも何も俺は悪い事などしてないんだが…
やはりリザリーとはソコらへんのアレな性格的に通じる部分があるんだろうな。
マキナやショコラ、ユリにアニーも多分女性の面倒くさい所が共感出来たから仲良くなってたりして。
「!?あのニーナ様が侵犯者と仲良さげだぞ!」
「あのニーナ様が笑うなんて…!」
「まさかあのニーナ様がミイリ様達以外と…?」
良い感じで気持ち良くなるよう頭を撫でてると周りの妖精達がザワザワとなんだか騒がしくなる。
「…そういえば、創造主ってなんだか侵犯者とか呼ばれてる人間と色が似てるような…」
周りの声が聞こえたのかニーナが首を傾げた。
「…色が似てるも何も不本意ながら俺がそう呼ばれてるからな」
「!!?」
まさかの今の今まで気付いてなかったのか…ニーナが驚きの表情を浮かべ固まる。
…え?なに?こいつ今まで気付いて無かった系?
まさかだろ?そんなん気付いて無かったらドジっ子とか鈍いとかそういうの飛び越えるぞ。
「おーい、大丈夫かー?」
ニーナの前で手を振るも固まったまま。
「しゃーない」
時間も勿体無いのでそのまま肩に担いで精霊王の下に進む事にした。
「あれー?ニーナとココらへんで待ち合わせしてたのになー?」
そのまま花畑を歩いてると多分ユリであろう精霊が独り言を呟きながら周りをキョロキョロしている。
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