26
リザリー達とくだらない雑談やなんやかんやで夜まで時間を潰し、変装して別荘に戻りライナの手足を再生させた。
なんやかんやってのは俺の昔の研究に関わる事の無い、マキナ達の研究を手伝ったっつー事ね。
ライナの事も含め、特に面白味も無い事なので飛ばすとして…
別荘で寝てると深夜なのに調停者の呼び出しで起こされるっていう。
しかも内容が中々酷くてさぁ。
天界に居る精霊達の王様が調停者に渡したい物があるから取って来い、っつーパシ…もといお使い。
そんなん朝でもいいだろ…と思いため息を吐きながら天界に影移動したのが今さっき。
ってなワケで、俺は今天界に居る。
それも聖域と呼ばれる妖精達や精霊達の楽園の入口に。
「ふあ~…ったく、寝てる最中に起こしやがって…まあ本業だから文句は言っても断れねぇけど…」
欠伸をしてブツブツ独り言を呟きながら聖域に入った。
聖域の中はまさに妖精の楽園って感じで川以外の地面は全てお花畑。
因みに聖域の周りは100mを軽く超すぐらいの大木で囲われている。
「ひっ…!もしかして…侵犯者…!?」
適当に進んでると小さい人型で羽の生えた妖精が俺を見て慄いた。
「侵犯者だ…!」
「侵犯者が何故ここに…!」
「みんな逃げろー!」
…聖域では俺の事がどういう風に捻じ曲がって伝わってるのか分からんが…
妖精達はみんな俺を見て戦慄し、一目散に逃げて行く。
「本当に侵犯者だ…!」
「いったい何しにココへ…!?」
「もしかして…今度こそ聖域を乗っ取りに…!?」
集まっては逃げ、集まっては逃げ…何がしたいのか良く分からん。
一応説明すると、妖精っていっても人型だけじゃないよ?
精霊と一緒で鳥やてんとう虫みたいな鳥獣型や動物型に虫型と、色々存在する。
「侵犯者だと…!?」
ここでようやく精霊さんが登場なすった。
「侵犯者だ…!」
「妖精達は避難させろ!」
「侵犯者の動きを見張るんだ!」
聖域で悪い事なんてした事無いのにこの悪者扱い。
噂に尾ひれが付くのは仕方ないけどさ…ここまで警戒されるほどの尾ひれってどんなよ?
俺を見るや否やピリピリした雰囲気になる精霊達や妖精達を尻目に奥へ進む。
「くあ~……あ、眠ぃ…」
「っ!?まさか!」
あくびをして指で涙を拭い眠そうに目を瞑りながら歩いてると…
「やっぱり!創造主だわ!」
「ぐふぅ!?」
聞きなれた声と共に突然の横からの衝撃。
良く分からないまま俺は花畑に倒れされる。
な、なんだぁ!?いったい何が起きた…?いきなり横から何かがぶつかってきたぞ!
「なんで!?なんで創造主がここに!?」
全く予期せぬ事態に軽くパニクって目を開けるとニーナが俺の上に乗っかっていた。
……あー、はいはい…ニーナが得意のタックルで俺を押し倒したワケね。
一瞬で今の事態を把握できた俺と未だにテンパってるニーナ。
ってかあのタックルはとりあえず的な感じで無意識なの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます