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小型無線機の電源入れた時に驚いたし、軽くホラーだって。



一日の着信量が100件超えてるとか…迷惑メールよりも凄ぇ。



普通は三日目からは諦めそうな気がするんだがな。



あいつら絶対三桁超えたあたりからはイタズラ的な面白半分でやってただろうよ。



「お待たせしました」



鍵を持って来たメイドがドアに付いてる南京錠を全て外し、先に中に入る。



俺らも中に入り鍵を掛けて…いつものアレを開始。



「…あー…すっげぇ気持ち良いわー……」



あの後メイド達に…んんっ!



何があったのかはさて置き、 一時間ほどして部屋を出た。



「私達にもお声掛け下さればお手伝いに行きましたのに…」


「お前らは子供達の世話とか家事とか色々と忙しいんだから、これ以上負担かけるワケにはいかんだろ」


「「「全然負担になってません!」」」



三人のメイドの否定の言葉が重なり、お互いに顔を見合わせる。



「もっと私達を頼って下さい」


「今でも頼り過ぎてるぐらいなのに?子供達の面倒を見てるだけでも俺からしたらかなりありがたい事だけどな」



俺だったらコイツらみたいに上手く育てられる自信なんて無いし。



しかも一人だったらともかく…



年齢がバラバラ

血も繋がってない

国籍すら違う



唯一共通してるのは主人公属性で肌が白く美形ってだけの12名だぞ。



大して反抗もせず真っ直ぐに育ってるってのはコイツらの完璧に近い教育の賜物だろ。



「ですが…!」


「頼る時にはちゃんと頼るって、だからもしもの時は力を貸してくれよ?」


「「「「かしこまりました」」」」



なんで女ってこう自分って必要とされてる?とか不安がるんかね…と思いつつそう聞いて話を打ち切った。



「じゃ、俺は面倒な所に行くからまた夜に…」



頭を下げたメイド達に手を振ってリザリー達が居る研究所のトイレに影移動する。



「あっ!」


「おうショコラ、久しぶり?」



廊下を歩いてると何故かショコラと遭遇。



「んー…そんな久しぶりでもないような…」


「それもそうか」


「…どこ行くの?」



受付に行くためショコラの横を通り抜けようとしたら肩を掴まれた。



「別にどこ行こうが俺の勝手だろ」


「リザリー達なら休憩室に集まってるけど?」



掴んでる手を払おうとしたら考えを見透かしたような事を言う。



「そうかよ、で?お前はどこ行こうとしてんの?」


「別にどこ行こうと私の勝手でしょ?」



ショコラ行き先を聞くと意趣返しのごとく可愛いドヤ顔でそう返される。



「そりゃそうだ、トイレに行くつもりなら早めに戻って来いよ」


「分かってるなら聞かないでよ」



俺が来た方向に歩き出したと思えばショコラは振り返って笑顔でそう言った。



「よう、とんだ嫌がらせをありがとよ」



リザリー達が居る休憩室のドアを開けて挨拶代わりに皮肉をかます。



「…喜んでくれたみたいでなによりよ」


「俺はちゃんと止めたんだがな」


「えー?エルーのアレは絶対に制止じゃなくて振りでしょ」



いつものごとく怒るか責めるかのどっちかだろう…と思ってたのに、まさかの皮肉で返される。



「あれ?ショコラは居んのにハルト達は居ねえんだな」


「あー、もしかしたらあの研究所に来るかもしれないから待機するってさ」



へぇ?まあ俺からしたら野郎の事はどうでもいいけど。



「…そう…がっ…!?」「セーフ!?」



ドアを閉めると同時にショコラが勢い良く開けた。



その所為で勢い良く開いたドアが俺にぶつかる。



「いって~…ショコラ、お前今のワザとだろ」


「ありゃ、ぶつかってた?ごめんごめん」


「反省する気あんのか…?」


「んーん、全然」



全く悪びれずに笑いながらソファに座った。



「で?あの後に何があったの?」


「何って…神をどうにかしてその後始末をしただけ、だけど?」


「「「後始末…?」」」



俺の答えにショコラ達が首を傾げる。



「そうそう、後始末…大変だったんだぜ?」


「後始末ってあの天罰後みたいな荒地をどうにかしたって事?」


「ん、まあ調停の使者総出でさ…」



つー事で大雑把に大陸の修復作業を説明した。



時間にして15分ぐらいかな?多分そんくらい。

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