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どれくらいの危険度か分かりやすく伝えるなら…
バッタの大集落に黒豹登場、ぐらい。
「状況的にかなりやべぇじゃん」
「だからココに来たのだ」
…おいおい、今こうしてる間にも世界のどっかの都市が一つ壊滅しててもおかしくないぞ。
「暴れ狂うって事は力は抑えてない系?」
「いや…アテナがなんとか大怪我を負いながらも、封印具を腕に巻き付けたという報告を受けた」
ああ、だったらまあ…都市一つ壊滅させるとしても30分ぐらいはかかるわけか。
流石はアテナ、グッジョブ!その怪我であの少年の事は忘れとけよ!
…だが…それでも賢者クラスの力はあるわけだから大惨事は免れないぞ。
「今から対策を取ろうったって遅くないか?」
もうかなりの死人が出てると容易に予想できるんだけど。
すでにアレスによって色々とバランスが崩されてるような気がするし。
「アレスを鎮め、天界に戻した所で被害はどうすんの?」
いくつかの都市は壊滅、死人が大量だけど神は天界に戻ったから…めでたしめでたし。ってわけにはいかんだろ。
「…アレをせざるを得ないか…」
「!?アレだと!アレを使うほどなのか?」
超珍しく調停者が使者の呟きを聞いて動揺する。
「事態によっては仕方あるまい…今からでも準備せねばな」
「?アレって?」
調停者と調停者の使者が深刻な顔をしてるが、俺だけついていけてない。
「強引にバランスを戻す荒技だ…死んだ人間の魂を冥界からこの世界に戻し、生き返らせ…建物も調停の使者総出で修復する」
「…思った以上に強引な荒技だった…」
ご迷惑をおかけしたので元に戻しておきまーす、なんてご都合主義にもほどがある!と思われるかもしれんが…
色々な所に軋轢を生むから本当は一番避けたい手段だろうに。
まあでも冥界も渋々承諾するだろうよ。
人間が減ればその分エサ的な負のエネルギーも減っていく。
一時的に大量の負のエネルギーを得る代わりに将来どんどんエサが減っていきますよ…ってなったらねぇ?
我慢してでも先の事を考えないといけんだろ。
「問題はどうやってアレスを鎮めるか、だが…」
「頑張って倒し、天界へ強制送還…って方法じゃ多分意味ないかも」
アレスの事だから復活したらまたこの世界に降臨して暴れ狂うだろし。
時期が過ぎるまでいたちごっこを繰り返して無駄になるだけやわ。
「「「どうしたものか…」」」
一人と一体と一柱で腕を組みお互いの考えがシンクロしたのか同時に呟いた。
大人しくなるまで天界の牢獄にぶち込む…ってのは無いか。
ただ活発化してるだけなんだからいくらなんでもソレはやり過ぎかも。
「とりあえず現状だけでも把握せねば」
調停者が腕組みを解いて額に指を当てる。
「ユニオンに現れてない事を祈っとくよ」
あんな所で暴れ狂われちゃあ都市とかの修復作業が大変だぜ。
「…なんと、もうそこまで…」
己の分身である調停者の使者を各地にバラまいて情報を収集したのか意外そうに呟く。
「アレスは何処に?」
「今はアフリカ大陸の中心から北西側に移動してるそうだ…南と東側が壊滅したらしい」
「…マジで?移動が速すぎね?あいつっていつこの世界に降臨したの?」
「ほんの今さっきだ、この世界の時間で…一時間ほど前になるな」
全然今さっきじゃねぇ!
確かに神々は寿命が果てしなく長い分あっちとこっちで時間の流れが違うと思うけども!
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