13

























































「…って言っても、あの女の子が…」


「失礼するぞ」



女の子を式使のお姉さん達に預けて、調停者の所でアレコレ対策を練ってると…



急に天界の調停者の使者がやって来た。



「マズイ事が起きた、今すぐ手を貸してほしい」


「何が起きたのだ?」


「戦の神の一柱であるアレスが最悪のタイミングで目を覚ました」



…え?アレスってアレだろ?



アテナの兄的な存在で一旦眠りに就くとこの世界の時間で10年は軽く寝るっていうやつだろ?



「目を覚ましたって…ソレがどうかしたのか?」


「…お前は……そうか、お前はまだ知らなかったか」



…どうやら調停者の目の前にいて、しかも喋っていた俺はアウトオブ眼中だったらしい。



今気づきました、みたいな反応をされたんだけど。



「アレスにはこの世界の時間で言うならば5年の周期で活発化する時期があるのだ」


「活発化…?」


「戦の神の中でも好戦的なアレスが活発化するとどうなる?」


「どうなるって…まさかバーサーカーみたいになるってオチじゃねえよな…?」



調停者の質問に少し考えて答える。



「そう、アレスは活発化すると暴れ狂う…が、本来ならこの時期に目覚めるハズは無いのに…」


「別にアレスが暴れ狂った所で他の神々が取り押さえれば大丈夫だろ」


「…天界ならその手段も取れたであろう」



その程度の事ならば会談の知らせ以外でこのような所に出向くわけなかろうが、と呆れられた。



「いやいや、まさかでしょ?冥界や魔界で暴れたら大変な事になるって」



あっちからしたら神が単身乗り込んで攻めて来た!ってなるぞ。



冥界にしろ魔界にしろ結構な大惨事になりかねん。



「それならば杞憂だ、アレスはこの世界に居る」


「は…?はあ!!?」


「…どういう事なのだ?詳しく説明しろ」



驚く俺とは対照的に調停者は片眉を動かしただけ。



「簡単だ、アレスは人間を相手に暴れたいと思っているのだろうな」


「いやいや!待って、この世界だったらアレス級でも未曾有の大災害になりかねんから!」



デコピンの要領で指弾いただけで、結構な大きさのビルが一棟瓦礫の山と化すよ?



つーかもしかしたらビルを掴んで武器のように振り回すんじゃねえの?



…あ、一応説明するとアレスの本当の身長は14mまでいく。



…天界では女神は大きくても2mちょいで、他の神々はその大きさに合わせるように身体を縮ませてるんだよね。



だから天界での身長は人間のような感じ。



…天界以外でのアレスって身体の大きさだけで俺の約8倍だぜ?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る