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「あなた達はなんでそんなに平気なんですか?」


「「ん~、慣れ?」」



考える時間から発言まで、丁度俺とショコラの声がかぶった。



慣れって言っても重力をマトモに受けてるワケじゃねぇし。



ここの重力は磁場っつーか電磁波?の影響で体が下に引っ張られてる事で発生している。



さっきショコラが話してた引力的なアレね。



地球の自転による引力+遠心力=重力とはちょっと違う。



まあソレに+αで磁場、電磁波?の引力が上乗せされるからよけいに体が重くなるワケで…



人間の身体の中…細胞にも超微力ながら電磁波が流れてるのは周知の事実だろ?



ソレを磁力で磁石のごとく下に引っ張るんだから…



身体の電磁波をちょこっと変えてその磁力を無効化すればココの特殊な重力が効かなくなる。



ほら良くある引力と斥力のうんたらかんたらだよ。



SとNが引き合うんならSとSは反発し合う。



だから俺とショコラにはこの特殊な重力は効かずに地上と同じ1Gだけしかかかっていない。



今の俺なら10Gぐらいまでなら普段の1Gと変わらないかもな。



魔界や冥界で慣れたし。



…聞けば簡単だと思うかもしれんけど、この特殊な重力を無効化するってヤバいくらい難しいんだぜ?



リザリーとマキナみたいに雷魔術を使える奴らなら簡単かもしれんけど…



ショコラやハルト、エルーにエリアはあいつらに手伝って貰って克服したかもしれんけど…!



俺は100%努力やわ!慣れるのにどれだけ頑張ったか!



ドラゴン○ールの修行さながら重力が強い所で一日中生活してたんだぞ!



しかも慣れるのに時間かかりそうだからってわざわざスタンガンまで使ったんだぞ!?



何回気絶した事か…!



「と言うワケ」



どうやら俺が苦い回想をしている間にショコラが少年に重力発生の仕組みを教えてたらしい。



「重力に電磁波が関係してるんですか?」


「お前に分かりやすく説明するなら…幽霊が歩いてる時とかに足音が聞こえるだろ?そんな感じだ」


「幽霊…?」


「幽霊も所詮は電磁波の塊、つまり…今は超でかい幽霊に踏まれてると考えろ」



表現的にはアレだが、イメージはし易いんじゃね?



「なるほど!上からの圧力ですね!」



…さっき引力の話をしたのになぜ圧力の話になる?



いや、俺の説明が悪かったのか…まあ納得してるっぽいからいいけどさ。



「違うんじゃない?話を聞くと背中にのしかかられてるような感じだと思うけど」


「うーん…磁場や電磁波と重力の関係って分かりやすく説明しづらいな」



リザリーやマキナだったらイケると思うんだけど…



「と言うか…幽霊って存在するんですか?」


「は?当たり前だろ」



少年の質問に、俺は何言ってんだこいつ?みたいなトーンで返した。



「体は容れ物、魂はデータの塊…だっけ?」


「そうそう、容れ物を無くした魂こそが幽霊だ」



もしかしたら、俺が生き返らせたあのメイド達の幽霊もいるかも。



あいつらに魂は無いし。



…成仏して冥界に行けてるといいんだが…



まあ魂は無くとも脳があれば十分。



脳さえあれば記憶できるし、思考もできる、感情も表れる。



いわば魂はケータイで言うS○Mカード…的な?



ケータイだって改造すればSI○カード無しでも使えるようになるだろ?



ケータイでいえば違法だが、死体を生き返らせる事は違法じゃない。



だって魂をどうこうしてるワケじゃないから。

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