07

「コレは返してもらうよ」



左手を女の子の膝裏から腰に移動させて身体を支え右手で剣を取る。



「う~…!」


「アレ?もうおしまい?」



何かしらの攻撃をするだろうと身構えてたが悔しそうに唸っただけだった。



俺は剣を無名とは逆側の右に差し完全にお姫様抱っこの状態にして不満そうな顔をしてる女の子の頬にキスをする。



「な、何を…!!?」


「あ、コレは驚くんだ」


「バカぁ!」



頬を押さえて恥ずかしがる女の子にニヤリと笑いながら言うと照れ隠しなのか顔面を殴ってきた。



当然頭を後ろに仰け反らせて避けたが。



「もう…信じられない…!」


「いやー、どんな反応するかなって?前までは機械のようだったけど…今は意外と女の子らしい反応が出来るようになったんだな」



安心した、と言い俺は女の子の胸に顔を埋める。



…普通にやったら変態扱いされるけど…この状況だったらセーフだろ。



…見た目では分からなかったが、結構ボリュームあるのな。



この歳じゃCでも大きい方かね?



「ちょ…あっ…くすぐったい…!」



ぐりぐりと顔を押し付けて動かすと女の子は身体を捩らせた。



い~匂いだな~…柔らかいし、なんか服を剥いでペロペロしたくなる…



でも流石にそこまでしたら完全に変態でロリコン認定されてしまうので断念。



「あはは、あはっ…!く、くすぐったいって…!」



くすぐったそうに身を捩るも離れて欲しくないのか俺の頭を抱き込んでるっていう矛盾。



ナニコレ?イヤよイヤも好きの内っていうアレ?



「ほーらグリグリー」



考えとは裏腹に俺の行動的には調子に乗り始めている。



「あははっ、お腹の所はダメだって…!」



因みに女の子の格好はヘソ出しのTシャツに半ズボンとショートパンツの間ぐらいの微妙な丈のズボン。



おそらく素肌に俺の髪が当たってくすぐったいんだろうと思われ。



「ほーら…抵抗しないとペロペロしちゃうぞ~?」


「ひゃっ…!?」



大分調子に乗った俺は頭で女の子のTシャツを捲ってブラの下らへんを軽く舐めた。



「…あなたになら……イイよ…?///」



まさかの頬を赤らめ恥ずかしそうに言った後にソッポを向いた所で…悪ふざけが終了。



「悪ぃ、調子に乗り過ぎた」



女の子を地面に下ろし軽く抱きしめてから耳元で謝る。



なんか、急いで下ろして距離を取るように離れて謝ったら相手は拒絶されたように感じるんだって。



最近読んだ小説のヒロインが内心そんな思ってたから多分コイツもそうなんだろう。



「ううん、私を女の子扱いしてくれるのは貴方だけだから…不快には思ってないよ」


「その内俺以外にも君を女の子扱いしてくれる奴が現れるよ、絶対に」



ヒーローにはヒロインが、ヒロインにはヒーローが現れるモンなんだからいずれソイツと会う機会が訪れるだろうさ。



ま、この女の子にとってのヒーローが俺じゃないのは確定してるが。



「そうだと、いいな」



女の子はふわりと年相応な柔らかい笑みを見せた。



「はっはっは…で、アレから5年…例の件の結論は出たかい?」



本来なら一番目に拾う子供はこの女の子を予定していたんだがな。



「…来年まで、待って欲しい」


「来年?」


「来年で私は15歳…世間的に自立できるような歳になって、どう思うのかで最終的な結論を出したい」


「いやぁ、君は昔から変わらず立派な考えをお持ちだねぇ」



一時の感情に流されずあくまで合理的に将来を見据えて考え結論を出したい…と。



5年前、3年前は境遇的にその考えになるのは仕方なかったとしても、今もその考えを維持出来るってのは凄ぇわ。



だって物心つく前に国に金で無理やり買われて両親と離され、ソレから毎日戦争や暗殺のための戦闘訓練だぜ?



普通は毎日毎日かなり厳しい訓練、望まぬ人殺しを強要させられたら何が何でも逃げたい!ってなると思うんだけどなぁ。

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