14
「あ」
出てきた4人の内の一人にあの時の少年の姿が。
俺は思わず声を上げて指を差してしまった。
「?知り合い?」
「なんだ?知り合いでもいるのか?」
「いや、全然…お前らは?」
「「「見覚えがない」」」
マキナを含めたその場にいた全員が不思議そうな目で俺を見る。
「知り合いってか…会ったのは一度きりだけど」
どんなに忘れてようと姿を見たら思い出す。
この記憶力が悪い俺でさえ。
なぜなら…
昔、目の前にいる少年に能力を与えたのだから。
どんなに変装しようと整形しようと最悪性転換しようが…俺が能力を与えた奴は見ればパッと分かる。
「会ったのは一度だけって…ソレで覚えてたの?」
マキナは驚いたように俺を見た。
「まあ普通じゃなかったからな」
確か…大切な女の子を守る力が欲しい!とか叫んでたんだっけ?
大体そんな感じの事を言ってる奴らにしか能力与えてないから多分間違いないハズ。
あ、実は俺の『血を操る能力』ってチョイと応用を効かせれば影移動とか血を操る能力とかを他人に譲渡する事も可能ってば。
正確にいうなら他人が使えるのは俺の能力のコピーだけど。
更には魔力無い奴でも魔術が使えるようになるし、それとは別の超能力的な力も使えるようになったり。
代表的な能力でいえば念力…サイコキネシスとか。
だけどその能力は使えて3回…抑えて使っても5回が限界。
4回目、6回目は確実に死ぬ。
…だって魔力の代わりに生命力を使うんだもの。
ココで遠間さんの説明コーナー(わー、パチパチ)
他人に能力を使えるようにする方法は簡単。
STEP 1
血を操る能力を使って自分の血を爪楊枝状に固めて首筋に刺して他人に注入。
STEP 2
そんで脳のちょっとした所を弄る。
STEP 3
そうすると未知の能力に目覚めてランダムで能力が使えるようになる。
(基本的に無意識に望んでる能力だが、たまに…)
注・俺の能力のコピーは簡単に脳にダウンロード?出来るが、○○系魔術が使いたい!と指定されると半端なくめんどくさい。
基本的に脳は個人差が激しすぎるから目覚める能力はランダムだし。
まあ説明はこんな感じかな?
さて、俺らを警戒してか一向に仕掛けてこない奴らをどうやって始末しよう…
「あーあ面倒だ…おい少年、いや青年か…?とりあえず俺の邪魔をするなら死ぬぞ」
「はぁ?あんたみたいな魔力も無く明らかに弱そうな奴が言えた事か?」
「どうせ隣の女に守ってもらってんだろ?」
「女にしてはありえないぐらい異様に強そうだし」
せっかく親切心で忠告してやったのにバカにしたように返された。
「今はもう守るべき女がいなくなったのか?だったら力を貸すだけ無駄だったようだな」
ったく、コイツのためじゃなくその女のためにコイツに力を与えてやったのによぉ。
今時の若い奴らは恩を仇で返すってのが流行ってんのか?
「あんた…何を言って…」
「もういい、死ね」
俺は青年の方に左腕を伸ばして手をパーから握るようにグーに変える。
「がっ…!ぐぶぁ!な…ぜ…!?」
青年は急に床に膝を着くと大量の血を吐き出す。
「昔に言ったよな?俺と戦う事になれば死ぬ、と」
一応コイツの中でまだ俺の血が生きてんだから当然俺に逆らえば死ぬ。
ま、もしもの時のための安全装置的な?
「がはっ!」
青年?はまたしても盛大に血を吐いた。
「もういっか、後はお前に譲るよ」
「え?いいの?」
「ああ…もうなんか怠ぃ」
『…私が…やる…』
無名から手を離してマキナに譲るように青年?達を手で示すと珍しくアニーが主張する。
「えー?…まあ久しぶりだから今回は譲るよ」
「はっ!俺たちを舐めてるようだな!」
『…うる…い…』
「「「!!?」」」
アニーが不快そうな声で呟くと俺たち二人と一体を除いた全員が直立不動になった。
…凄え、おっさん達も椅子を倒してその場でピーンと立ってるよ…
「な…!や、止めろ!」
「ち、違う!体が勝手に…!」
「お前ら!相手はあっちだ!」
「くそっ!どうなってやがる…!体が…!」
なにやら残りの三人が動いたと思えば直立不動してるおっさん達に向かって武器を振り上げ構えながら近づく。
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