13
6階に着き『竜狩対策会議』と書かれた看板的なのがある部屋を探して廊下を歩く。
「…あの部屋か?」
「一応部屋の前に立て看板があるね」
…どうやらドアの前に黒服のお兄さんが二人立っている場所が目的の部屋らしい。
腰に剣を差してるあたり、SP的ななんかだったり?
「…とりあえず行ってみよう」
「あ、参加名は行商人Bだって言ってたよ」
なんでB?普通に行商人ってだけでいいじゃん。
もしかして俺の二つ名の村人Bとかけてんのか?
「すみません、こちらの部屋は関係者以外立ち入り禁止となっております」
俺たちが部屋に入ろうとして近づくと黒服のお兄さんに止められた。
「えーと、会議に参加する行商人Bなんだけど…」
「少々お待ち下さい」
黒服のお兄さんはスーツの内ポケットからメモ帳らしき物を取り出しナニカを確認し始める。
「失礼しました、どうぞ中にお入り下さい」
二人共俺達に頭を下げて、わざわざドアを開けてくれた。
中に入ると如何にもなハゲてるおっさんや渋い感じの中年男性が椅子に座っている。
「んん?誰だ?」
「行商人じゃないのか?」
「男女一人ずつで二人、と聞いたが…」
貴族?の人達は一斉に俺らを見て話し始めた。
「まあいい、コレで残るはロルオ男爵のみだな」
…今居るコレで全員ってワケでは無いらしい。
…つーことは、全員で4名ってワケね。
やる事も無いので椅子に座ると、アニーが俺の膝の上に座ってくる。
正確には太ももの上…かな?
「あ、ズルい」
『…イス…無い…』
どうやら参加者の数ピッタリしか用意されてないようだ。
チッ…気の利かねえ対応だな、おい。
とりあえず重くもないのでそのままにしてると、なにやら小声でマキナとアニーが言い争いを始める。
俺には関係なさそうなのでソレを無視して部屋の中を見渡すとなにやら入り口の他にもドアが。
もしかしたら隣の部屋と繋がってる造りになってんの?
だとしたら傭兵だか護衛だかを隣の部屋に待機させてたりして。
「遅くなってすまない」
俺らが入室して5分後に中々ダンディーなおっさんが入って来た。
「まだ予定時刻の2分前だ、気にすることはない」
「さて…人数も揃った事だし、少し早いが始めよう」
遅れてきたおっさんが椅子に座ったのを見て上座に座っていたハゲが立つ。
「んじゃ、単刀直入言おうか…死にたくなければドラゴンから手を引いてもらおうか?」
俺はアニーを抱き、バン!と机の上に両足を組みながら乗せて言う。
「「「は…?」」」
おっさん達は俺を見て理解できないような声をあげる。
「あんた達が出資するからただでさえ数の少ないドラゴンがどんどん絶滅に追いやられてるんだよ」
「ドラゴンは貴重な存在だから乱獲されると生態系が乱れて困るの」
マキナがなにやらもっともらしい事を言った。
「絶滅?生態系?そんなの我々の知った事では無い、弱肉強食…弱いモノは強いモノに食われるのが世の常だろう?」
…そう言われたら何も言い返せないな。
「…じゃあ言い方を変えようか、ドラゴンもロクに捌けない奴らがドラゴンを狩ると迷惑なんだよ」
「絶滅したら食べれなくなるからね」
『…もったいない…』
「「!!?」」
アニーの頭に直接響くような声を不思議に思ったのかおっさん達は辺りを見渡す。
「つー事で、ドラゴンから手を引いてくんない?嫌なら実力行使って事で…」
俺は机から足を退かしてアニーを抱いたまま立ち上がる。
そしてアニーを地面に下ろして無名に手をかけた。
「あんた達を殺す事になるよ?」
そのまま笑顔でおっさん達を脅す。
「ふん、魔力も無いような小童が何を言う…おい出てこい」
唯一立ってたハゲが俺を鼻で笑って入り口とは別のドアを開ける。
「どうしたんですか?」
「…出番早くない?」
「相手は誰かなー?」
「やっとかよ…」
俺の予想通りおそらく護衛だと思わしき奴らが4人出てきた。
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