12
「じゃあ止める?今ならまだキャンセルの電話は出来るけど」
「…ん~、いやいや…冗談だって」
「でしょうね、私も中止なんてする気は無いわ」
…冗談を冗談で返された…まあソレはお互いに分かってる事だけども。
「何時からだ?」
「19時よ」
「だいたいあと5時間ぐらいか…」
「あ、程人君、今回は私も行くからね!」
改造したボウガンを片付けていたマキナが戻ってきた。
「そりゃいい、前回…一昨日は野郎と二人っきりだったからな」
何が悲しくて友達とはいえ野郎二人っきりで居なきゃいけないんだか。
あの時はユリがいたから良かったものの…
『…私も…行く…!』
「今回っつーか…最近はどうしたんだ?魔剣の精霊達のオンパレードじゃねえか」
『…ユリ的……に……対価……』
別にユリ的に言わなくても良いんじゃないか?
アニーは相変わらず無口というかクールというか言葉足らずというか…
まあ言葉は通じてるから不都合は無いがな。
車に揺られる事3時間後。
とあるホテルに到着した。
「ココに集まってんのか…」
「リザリーから聞いた所によると6Fらしいよ」
車から下りてビルのような建物を見上げるとマキナが後ろから抱きついてきた。
「なぜ抱きつく?…つーかなんで肝心のアイツがいねぇんだよ」
「ちょっと野暮用があるんだって」
『マスター…ズルい……しも…』
俺がため息を吐くとアニーが前から抱きついてくる。
「野暮用ねぇ…まあいいけど」
特に振り解きもせずに前と後ろに女の子が抱きついた状態のままホテルに入った。
…流石に前から抱きつかれてると歩きにくいのなんのって。
「すいませーん、ココで会議的なのを予約してると思うんですけどー」
「会議的なの…ですか?少々お待ち下さい……えーと、今日は6階で竜狩対策会議という名目で予約されてるのだけですが…ソレですか?」
ホテルの受付嬢に聞くと女の子に纏わり付かれてる俺を見て一瞬怪訝そうな顔をしたが、直ぐに営業スマイル?に戻る。
竜狩対策会議って…最初ユーカリ対策会議って聞こえたぞ。
なんて名目で予約してんだよ。
「あ、はい、ソレです…ありがとうございました」
俺は受付嬢に笑顔でお礼を言ってマキナとアニーを半分引きするような感じで階段を登ろうとした。
が、流石にこの状態のまま階段で転げ落ちたらシャレにならんと思ったのかマキナ達は俺から離れる。
「竜狩対策会議ってネーミング、どう思う?」
『…ダサい…』
「だよな」
「え、そう?シンプルでいいんじゃない?」
アニーと俺の意見は一致したがマキナとはまさかの意見の相違。
…あのネーミングの何が良いんだ…?
『マスター…た……ダサ…』
「だな、マキナはたまにダサいのに惹かれる時があるよな」
「ダサい…かな?確かに好んで使うか?と聞かれたら無いと答えるけど…」
好んで使わないネーミングはダサいって事じゃね?
ファッションセンスは良いクセにネーミングセンスの方は微妙なのか…
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