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あーでも人数がいれば狩りに来るかも。
どうしたもんかなー………おっ!
いい事を思いついた!
ドラゴンハンターに出資?っつーか金を出してる貴族を脅せば良いじゃん!
「おいエルー、今の状況を打破する良い考えを思いついたぞ」
「良い考え?」
「金出してる貴族を脅そうぜ、そして逆にドラゴン保護法案的なのを承認させよう」
「…確かに良い考えだな、金を出すスポンサーが居なくなれば狩る理由が無くなる」
そうと決まれば早速リザリー達に電話しよう。
「ドラゴンの保護法案に関しては俺に任せてくれ、一応家が侯爵家だからな…兄さん達に頼んでみる」
「大丈夫か?」
「ああ、もうあのクズは失脚してる」
自分の父親をクズって…どこの家庭も父親には当たりが厳しいな。
まあエルーの父親はクレインという実例があるからどんな扱いをされてもしゃーねぇか。
「もしもしー?あたしゃだけど」
「…程人?なんか用?」
善は急げっつー事で思いついたのをリザリーに説明した。
「…ソレは良い考えだわ、貴族の事は調べておくからお土産よろしくね」
「お土産?」
「ドラゴンの肉に決まってるじゃない」
「マジで…?まあ少しなら…」
…前のドラゴンなら納得して大人しくしててくれるだろうけど、コイツはなぁ。
「少しでいいから、じゃ」
リザリーはそう言って電話を切る。
「なんかあったのか?」
電話が切れた後も無線機を手にドラゴンを見てる俺を不思議に思ったのかエルーが話しかけてきた。
「お土産にドラゴンの肉を持ってこいだと」
「…まあ、うん…ドンマイ」
特に何かを言うわけでもなく、俺の肩に手を置く。
『ドラゴンの肉って美味しいの?』
「コイツが捌いたらかなり」
『ふむ…是非一度食べてみたいものだ』
そんな簡単に言うなよ…あんな7mはあるドラゴンとまた面倒な戦いをしろってか?
…しゃーねぇ、やるか。
「エルー、ファイ、上で見張りをしててくれ」
「分かった…行くぞ」
『異変があれば排除する』
『私はー!?』
「ユリは俺を手伝ってくれ、後で美味い肉を食べさせてやる」
仲間を物で釣ると言うのも変な話だが…その方が指示した事だけをやりそうだ。
下手に変な事をするとドラゴンを怒らしかねんからな。
『やったー!で!?なにするの?シメる?』
「シメなくていい…ってかどっからそんな言葉を?」
そこいらのヤンキーしか使わない言葉だぞ。
「まあとりあえずドラゴンの動きを5秒止めてくれるか?」
『たった5秒でいいの?』
「ああ、俺が合図したら頼むよ」
ユリに指示をして俺はドラゴンの所に走った。
『ふん!やはり我を守るなど虚言だったようだな!返り討ちにしてくれるわ!』
ドラゴンは大きく吼えると青白い火炎弾を俺めがけて飛ばす。
流石に体長が5mを超えると吐き出す炎の温度も高くなってくるよなー。
「今だ!」
『えい!』
『ぬうっ!!』
火炎弾を避けながら指示すると一瞬にしてドラゴンの体温を一気に下げたのか体が硬直する。
「ナイス!」
俺はジャンプして頭の一点をめがけて剣の柄で思いっきり殴った。
ツボ押し剣一式 昏倒急。
ドラゴンのデカイ図体がよろけて倒れる。
さーてさて…痛覚を麻痺させねば。
もう一度ドラゴンの頭の一点をめがけて柄で思いっきり殴る。
ツボ押し剣一式 無痛急。
今回は部位を少し斬る程度だから魔札だけで大丈夫だな。
「ユリ、コレを瞬間冷凍してくれ」
『うん!』
スパッとドラゴンの腹を斬り開き中の肉を少しずつ切り取ってユリに渡す。
「よし…こんくらいでいいかな?レストルア」
魔札を三枚使ってドラゴンの傷を治す。
「よし、目を覚ます前に逃げるぞ」
カッチカチに凍ってる結構な大きさのブロック肉を両手に持ってロープの下まで走った。
「おーい!撤収するから下りてこーい!」
上に向かって叫ぶとファイが飛び降りてくる。
『ふむ…ソレがドラゴンの肉か』
「生きたままの体内の肉をブロック状に斬るって超難しいんだぞ」
四角に斬り込みを入れた後に肉の中に手を突っ込んで奥を斬らないといけないし。
おかげで無名も右手も少しの血と体液でベトベトやわ。
「ほら、コレ持ってろ」
凍ってるブロック肉を二つファイに渡して左手でポーチからスタンを取り出す。
「終わったのか?」
「ああ」
エルーが下りて来ると同時にスタンのピンを抜いて上に放り投げた。
そして爆発して光が辺りを包むと同時に研究所の俺が良く居る部屋に影移動する。
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