21
お前らの産みたい、という意思はあっても…俺らに産まれてきたい、なんて意思はねえんだ。
お前らの意思でシた行為の結果なんだよ。
つまり、俺らが産まれてきたのはお前らの意思によるものだろ?
俺らはお前らの意思を尊重してあげたにすぎないわけで…
逆にお前の態度がおかしいんじゃねえの?
それが産まれてきてあげた俺らに対する態度か?
さっきも言ったように、役立たずと母さんがヤらなければ俺と藍架と愛梨は産まれなかった。
自然現象じゃねえ、人為的現象だろうが。
それなのに…なんでお前はそんな独善的な考えなの?
産んだ親は偉いのか?
今の俺の言葉を聞いてもなお、そう言えるか?
「…ここまで育ててもらって恩を仇で返すような言い方だな」
「…お前のアホさ加減にはさすがの俺も殺意を感じるよ」
俺はため息を吐いてシンクに向かい洗い物を始める。
こんなアホのどこに尊敬する部分があるのやら…
「お前さ、本当に俺の親か?頭悪すぎてソコすら疑うレベルなんだけど…」
「…なんだと?」
「いいか、ご飯を食べたら皿を片付けるだろ?」
「それとコレとなんの関係が…」
「いいから答えろ」
俺は役立たずを一切見ずに皿を洗いながら話す。
「…当たり前だ、自分が使った物は自分で片付ける」
「だろ?お前は今、自分で使った皿を自分で片付けて『どうだ?俺、偉いだろ?』って言ってるのと同じレベルだぞ」
そして、お前に恩を売ったぜ!と喜んでるようなもんで…恩もクソもなくね?
子供を育てる覚悟があるから産んだんだろ?
自分の都合で子供を産んで、子供を育てる俺は偉い!ってアホにもほどがあると思うんだが。
自分で使ったオモチャは自分で片付けるのが当たり前だ。
じゃあ自分で産んだ子は自分で育てるのも当たり前じゃないか?
偉いとか偉くないとかじゃなく、それが責任っつーもんなんだからさ。
責任を持てないなら最初からヤるべきじゃねえ。
全く…いい歳した大人がガキみたいな事を言ってんじゃねーよ。
「く…!」
「あれ?お父さんまだ食べてなかったの?」
食器を洗い、拭き終わると同時に愛梨がリビングに戻ってきた。
…なんと、制服姿で!!
「…待て待て、おい愛梨お前のスカート短すぎないか?」
「え?こんなもんだよ」
マジで?いつからこの国はこんなけしからんスカートを容認するようになったんだ?
「推測だが…ソレ、膝上18~20cmだよな?」
太ももが半分ちょい上ぐらいまで露出してるぞ!そんなのが普通なわけあるかぁ!
「?みんなこんな感じだよ?」
「下げろ!せめて最低でも膝上10cmまで下げてくれ…おい役立たず、お前はコレを見てなんとも思わないのか?」
「その制服は藍架のお下がりだからな、特になんとも思わない」
「だから役立たずなんだよ、てめえは!」
高校生がこんな短いスカート履いてなんとも思わないわけあるか!
こんなん少ししゃがんだり、少し風が吹いただけで即パンツが見えるぞ。
「えー?別に切ってるわけじゃないから下げられるけど…」
「なんでそこまでスカートを短くするんだ?露出したいのか?モテたいのか?それともレ○プ願望があるのか?お兄ちゃんは心配でならないぞ、愛梨」
「んー?いやモテたいとかヤられたいって願望は無いけど~…ほら、スカートを短くすると足が長く見えたりするじゃん?」
露出的なアレか!?確かに俺は変態だが、血筋ではないと信じたかったのに…!
「お前には…露出癖があるのか…?」
「無いよ~、でも…スカートを太もものこの辺?まで短くすると脚が細く見えるんだってさ、もしかして可愛くないの?」
愛梨は太ももの半分ぐらいの所を指差して首を傾げた。
「可愛いよ、可愛いから心配してんだよ…お前はスカート短くしたりしなくても、十分脚がスラリとしてスタイルが良いんだ…頼むスカートを下げてくれ…」
俺は諭すように愛梨の両肩に手をおく。
こんな可愛い妹が性犯罪に巻き込まれた困る!
ただでさえ可愛いのにソレで露出を増やされたら…!
世の中、俺みたいに我慢強く忍耐力のある奴なんて少数なんだよ。
なのに俺みたいにスカート短い=貞操観念が低いとかいう考えを持ってる奴はかなり多い。
もうスカートなんて規制しちまえ!!
販売も製造も着用も禁止しろよ…
そしたら世の中から確実に性犯罪は減るぞ。
電車とかでの盗撮とかさぁ。
痴漢はもう防げないとしても、盗撮ぐらいは防げるだろ?
スカートじゃなくてズボンやジーンズ、ジャージとか履いてれば盗撮とか激減するんじゃね?
…もしかして、この国の警察はワザと注意勧告しないのか…?
仕事はちゃんとしてますー。
警察はちゃんと必要なんですー。
私たちは日夜こういう風に犯罪を取り締まってますよー。
的なアピールをするために?
自分達の存在意義を示すためにワザと犯罪を起こさせようと…?
警察という抑止力を維持させるための必要悪的な感じで?
…そうか、細かい犯罪が減ったら警察は規模を縮小せざるをえなくなる。
そしたら上の方の居ても居なくてもいい高給取りの奴らから削られていく。
歳をとって、特に動かず部下に適当に指示してるだけの、無駄に給料が高く地位のある奴らから。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます