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「ごめん、このまま燃やされようかと思ったけど…服が燃えたら公然猥褻罪で捕まっちまう」
「…なに!?」
だってこの服…ユニ○ロで買ったものだし。
別に気に入ってるわけじゃないが全裸になるのは嫌だ。
俺は剣を抜いて炎の大蛇を真っ二つにする。
そして直ぐに剣を鞘に納めた。
「…なあ藍架、今の技は目立つから白兵戦的なやつで来ないか?」
「私の名前を…呼ぶな!」
ダッシュで距離を詰めての袈裟斬りを半身ずらして避ける。
「だって…なあ?」
俺と藍架は同じ年に産まれたが、双子ってわけじゃない。
珍しい事に…藍架が産まれた10ヶ月と7日後に俺が産まれたそうだ。
藍架は1月産まれで、俺は11月産まれ。
医者にとても珍しい事です!と言われたんだと。
おそらく…双子として生を受け、片方だけが栄養を搾り取ってたんだろうって。
片方が産まれた事により、もう片方に栄養が行き渡ってやっと育ったんじゃないですか?と言われたそうだ。
どうやら過去に例が無い、という事では無いらしいが…数十億分の1の確率だとさ。
俺に行くハズだった栄養や才能を奪い取って産まれた藍架。
だとしたら当然俺に才能なんてあるわけがない。
…とは言えその考えに至ったのは結構前なんだが。
そう考えたら納得だよな。
俺になぜ才能が無いのか、なぜ藍架には才能があったのか。
藍架が振る刀をまだまだ余裕で避けながら物思いに耽る。
「くそ…!なぜ当たらない…!」
「俺の努力の成果だよ、妖怪になってからも色々あってな」
ぶっちゃけお前ごときでは俺を殺せないよ…藍架。
と、刀を避けながら手首を掴んで引き寄せ耳元で囁く。
「~~!ひっ…!」
「ははっ、面白い反応だなぁ」
ふーっと耳に息を吹きかけるとバッと俺から距離を取った。
「お、お前…!なんて気持ち悪い事を…!」
面白半分で反応を試すためにやったのに…普通に怯えたような目で見られた。
「いやー、昔は俺の目から見ても美少女だった藍架が…まさかこんな美人になるとはねぇ」
「おまっ!…貴様は変わらないな」
「あっはっは、褒め言葉として受け取ろう」
「まさかと思うが…私を女として見ているのか?元姉弟で血の繋がったこの姉を」
鋭く拒絶するような視線を俺に送る。
「そのまさかだよ…俺からしたら血の繋がりなんて関係無い、美少女や美女は全て性的対象に決まってるだろ?」
「…その性格は変わっててほしかった」
藍架がこの様子じゃ…愛梨はどうなってるかなー?
最後に愛梨を見たのは7年前か。
あの頃はまだまだ可愛らしく愛くるしかった。
あいつも母似だからショコラみたいな感じで可愛らしく育ってる事だろう。
「愛梨はどうだー?ちゃんと可愛くなってる?」
「当たり前だろ!愛梨の可愛さを甘くみるなよ!」
…あ、やっぱり藍架ってそっちの気がちょっとあるんだ…
シスター・百合・コンプレックス?
略してシリコン?
…無いな、尻コンプレックスみたいだ。
「…そういえば、さっきから地面に倒れてるその子は平気?」
「問題ない、気絶してるだけだ」
「そう、それより藍架…お前胸の問題はどうなった?」
6年前はせめてCまでは欲しい!って言ってたが…あれから少しでも成長したのか?
「…実の姉の胸のサイズが気になるのか?この変態」
「…やべえ、なんか変態って言われると嬉しくなってきた…これ以上言われたら何かに目覚めるかも」
美人や可愛い女の子に変態って言われるとなんかこう…クるよな。
しかも実の姉って言われても…
兵士養成学校に入ってから一年に一回ずつ…今を含めても8回しか会ってないんだからあんまり実感がねぇよ。
「ふ…まあいい、聞いて驚くなよ」
あ、一応話してくれるんだ。
「うおっ…と」
藍架は一拍置くと今までとは比にならないほどのスピードで距離を詰め、俺の腹めがけて刀を突く。
「…コレを避けるか」
「いやあ紙一重だったねぇ…惜しい惜しい」
あと0.5秒反応が遅れてたら服に切れ目が入ってたかも。
ってかこの反応…もしかして昔から変わらない系?
「私の胸は惜しくもD半歩手前だ」
「おおっ!凄え、成長してんじゃん」
嬉しいのか悔しいのか…さっきまでのは様子見でした。と言わんばかりのスピードで斬りつけてくる。
「あと2cm…だったのに…!」
ギュッと刀を握る手に力が入れたのが分かった。
「大丈夫だって、あと2年は育つよ」
なんなら俺が揉んで大きくする手伝いをしようか?と言いたい所だが、これはマジもんの変態になるので自重。
とりあえず藍架の刀は俺の髪にも服にもカスリすらしない。
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