09

「…そういえば、あんたもヴァンパイアじゃなかった?」


「違う、俺は吸血鬼だ」


「きゅうけつき?」


「異国の妖怪の一種だ」



ヴァンパイアと吸血鬼は似て非なる存在である。



「似て非なるって…どっちも同じじゃないの?」


「俺はヴァンパイアみたいに眷属なんて作れないし…なにより能力が違う」


「能力?」


「ヴァンパイアの主な能力は血を操る事で、たまに身体の組織を変えられる奴もいる…後は稀に影に潜めれる奴も」



血を操る能力って言っても俺の能力よりは遥かに劣るけど。



できるのは液体から固体、固体から液体への形状変化だけだ。



身体の組織を変えれる能力ってのは分かりやすく言えば身体の形状変化だな。



羽根を生やしたり、手をデカイ剣に変えたり…あとは犬や猫と言った動物の姿にもなれるらしい。



簡単に言えば変身能力っつー所か。



コレを使えるのは結構な実力者だけらしいけど。



最後の影に潜む能力は今の所ヴァンパイアの中でも使えるのは4人…人でいいか。



4人だけだと。



ロードとキング、クイーンとノーブルのトップ。



「ノーブル……貴族?」


「らしい、俺と戦った時は出すヒマもなくコテンパンに叩きのめしたから見てないんだよなー」



キングやロードと比べたらだいぶ弱かった。



「あ、因みに影に潜むだけで俺みたいにどこにでも移動できるわけじゃないぞ?」


「?どういう事?」


「俺のはおそらく空間と空間を繋ぐワープ的なアレだが、ヴァンパイアのは影の中を泳ぐように移動するんだ」



瞬間移動と空間移動の違い…かな?



「タケ○プターとどこで○ドアの違いって言えばいいのか…うーん…」


「大体言いたい事は分かったわ」


「そういえば瞬間移動って超スピードで走ってるか飛んでるんだよね?」


「…あれ?地球に新しい神を連れてくるときに宇宙空間の星々を移動してた…よな?」



大気圏で燃え尽きたり、酸素不足になったりしなかったのか?



超スピードでの移動による衝撃波だけで街の一つや二つは簡単に滅びたんじゃ…



人間大の物体が星々を移動するために光の速度で動いたんだぞ?



そのスピードで止まった時の衝撃波だけでとんでもない被害が…



普通なら大気圏で燃え尽きるハズ…しかもあの新しい神はまだ子供だったんだろ?



スーパーサイ○人になれる主人公はともかくとして、ナメッ○星人の子供は確実に燃え尽きるんじゃね?



だって、ベ○ータ達が乗ってきた宇宙船でさえ着地した時は地面にクレーターが出来たんだぜ?



…主人公って一体どんだけの衝撃をあの小さな体で吸収してんだよ。



…漫画だから?漫画だからそこは深く切り込まない方がいいのか?



「「「うーむ」」」



4人でベンチに座り考え込む。



「瞬間移動って反則技よね」


「そうだな、あの最終形態もなかなか反則だが」


「頭に核があるって嘘ついてたしね」


「上半身消しとばしても下半身から再生とか…やっぱり全身消しとばしたのが正解だったんだな」



俺らはドラゴンうんたらのネタでムダに盛り上がった。
















































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