03





































































「くそ…身体がダリィな」



アレから4時間後。



日付けも変わり時刻は草木も眠る丑三つ時。



リザリー達が寝てる間に研究所からなんとか逃げ出していつもの公園に向かってる最中だ。



目が覚めてベットにいた時はびっくりしたが、隣にエルーが寝てた事で更にびっくり。



右にエルー、左にマキナ、その左にリザリーが寝てた。



キングサイズのベットに4人も寝れてるのは凄いと思ったが…



なんでみんな一緒に同じベットに寝てんの?



とりあえずエルーを踏んでからベットを下りたけど。



ぐえ!って声が聞こえてたが無視。



研究所出ても尾行られてないから多分あれでも起きなかったんだろう。



「……!!」



ん?なんだ?こんな夜中から騒いでるなんてどこのバカだよ。



「んあ?」



俺には関係ねー…と思いながら歩いてると人が飛んできた。



「く…!しつこい…!」


「おいおい、通行の邪魔するなよ」



ちょうど前の方に滑ってきたやつを回り込むようにして避ける。



「!?人間!ちょうどいい!」


「あ?」



倒れてた人がガバッと立ち上がり急に後ろから俺の肩を掴み強引に振り向かせた。



「おっと」



首筋に噛みつこうとしたのをヒョイっと避ける。



「なに!?」



ガチン!と歯がぶつかる音がして驚いたような声をあげた。



「俺に噛みつきたきゃ美人な女にでもなってから出直しな」


「ガッ…!」



抜刀一閃横真っ二つに斬り裂いて無名を鞘に納める。



そして何事も無かったかのように歩き出す。



「ガアアア!!」


「うえ…!?…まだ生きてたなんてびっくりだぜ」



たった今真っ二つに斬り裂いたハズなのにもう元に戻っている。



「ヴァンパイアは心臓に銀の杭を打たない限りは死なないぞ!」


「ギャアアア!!」



俺が無名を抜こうと柄を握った時、言葉と共に目の前の奴の心臓が後ろから何かに貫かれる。



奴が悲鳴をあげて倒れるとその後ろに誰かが立っていた。



「大丈夫か?巻き込んでしまって悪かった」



おそらく奴に後ろから何かを突き刺したであろう男が俺に駆け寄ってくる。



「まさか逃げる力が残ってるなんて思わないだろ」


「そうね、これからはもっと注意しなければ」



すると屋根の上から男と女が言葉と一緒に降りてきた。



「あー、気にしないんで…じゃあ」


「すまなかった」



俺は手を上げて早々に立ち去ろうと早足で歩き始める。



…チッ、なんだってこんな所にヴァンパイアが?



あれは生産大陸の中でも限られた…元グレートブリテン島にしか出没しないハズなのに。



しかも世間でのその存在は極めて稀、じゃないのか?



「待って」



足早に立ち去ろうとしてると女が俺の目の前に立ち塞がった。



「なに?」


「今見たことは口外しない、と約束して。 じゃないと…」



女は言葉を言いかけて背中にある薙刀を構える。



「人に得物を向けるなら、それ相応の覚悟は出来てるんだろうな?」



問うや否や無名を抜いてスパッと女の薙刀の刃の部分を斜めに斬り落とした。



「「な…!?」」


「俺は今眠いんだ、邪魔するなら服を剥いで無理やり犯すぞ」


「ひっ…!」



俺が女を見て舌なめずりすると小さく悲鳴を上げて体を隠すように縮こまる。



「ったく…ロクな覚悟もできてねえなら人に得物を向けんなっつーの」



ふあ~あ…とあくびして女の横を早足ですり抜けた。



野郎に追いかけられるかと思ったがそんな事は無く、普通に公園に到着。



いつもの場所のいつものベンチに寝っ転がって寝る。

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