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ピピーピー…ピッピピピー。



「あ、電話だ…もしもし?」



丁度変な間が空いた所でショコラのケータイに電話が来た。



「…わかった。代わるね?はい、リザリーから」


「はあ?なんで俺に?…もしもし」



疑問に思いつつも差し出されたケータイを受け取って出る。



「程人?ちょっと面倒な事が起きたの、今すぐ戻って来なさい」


「…ゴメン、俺今傷心中だから少しの間一人にしてほしい」


「…傷心?心の無いあんたが?…バカな事を言ってないでショコラを送ってさっさとココに戻って来なさい」


「あ、おい……切れた」



リザリーは傷口に塩を塗り込むような事を言って電話を切った。



「なんて?」


「『心の無いあんたが傷心?バカな事を言ってないでさっさと戻って来い』だって」


「あはは!確かに!心が無ければ傷も付きようがない!上手い事言うなぁ…」


「誰も慰めてくれない…」



手を叩いて笑うショコラを見てるとなんか虚しさが込み上げてくる。



「えー?慰めてほしいの?でもこっち来る前に馬車の中でヤったばかりだしなぁ」


「…何を?」


「…!」



俺が質問するとショコラは焦って口を手で塞いだ。



「えーと…えーと…や、やだなー、女性の口から言わせる気?」


「だから、何をだよ」


「……マッサージ、そう!マッサージだ!ずっと寝てたから、固くなった身体(の一部)を解してあげてたんだよ!」



ショコラは少し目を泳がせて軽くどもりながら言い訳をしてるように言う。



んん??なんだ?今、固くなった身体…の後にごにょっとなんか言わなかったか?



「ゴメン、もう一回言ってくれるか?聞き取れなかった」


「細かい事はいいじゃん!それより呼び出されたんなら早く戻ろ、急ぎの用らしいから待たせるのは悪いよ!」


「無理にあっちの都合に合わせなくてもいいと思うぞ」


「ダメなの!…ゴメンね?私たち急いでるからあとはお願いしても、イイ?」


「「「任せて下さい!」」」



甘えたようにコテンと首を傾げたショコラの可愛さにやられたのか、養成学校時代の後輩?達は揃って敬礼した。



























































人気の無い所に移動してショコラを影移動でハルト達の研究所のトイレに送った。



そして俺もリザリー達のいる研究所のトイレに影移動する。



「急に呼び出しやがって…今度は何の用だ?」



受付嬢に居場所を聞いてリザリー達の居るであろう部屋に入る。



部屋の中にはリザリーの姿はなく、マキナとエルーだけ。



「あ、程人君おかえり」


「今回の突然変異体はどうだった?強かったか?」


「今まで戦った中でも上位に入るぐらいだったな」


「へえー、そんな強かったんだ…ショコラ羨ましいなー」



突然変異体の事をアレコレと話してるとリザリーが部屋に戻ってきた。



「戻ってきたのね…早速だけどある場所に行ってほしいわ」


「人を呼び出しといてどこ行ってたんだよ」


「トイレよ」


「さいですか」



トイレならしょうがねぇな。



リザリーはテーブルの上の地図に何かを書き込んでいる。



「ココ、この国である人を攫ってきて」


「おいおい…人さらいかよ」



今更犯罪とか悪事とかの道徳云々は言わないが、流石に人攫いは…ねぇ?



「助けて、でもいいけど…とりあえずこの研究所に連れて来ればそれでいいわ」


「強制かよ…もう少し詳しい話が聞きたいんだけども?」


「…時間が無いのだけれど…マキナ、簡単に説明してくれる?」


「オッケー、ザックリ言うと…処刑されるお姫様を救って来てね。って言う事だよ」



マキナに説明を投げてリザリーは紙に何かを書き込んでいる。



「お姫様についての詳しい内容はこの紙を見て、処刑時刻は15時ジャストよ…時差を考えても猶予はあと20分しかない」


「…ギリギリじゃねぇか、チッ…行けばいいんだろ」


「お姫様は可愛いし、首と手を板で固定されてるから見たら直ぐ分かるよ」


「…!可愛いだと!?ソレを先に言え!」



マキナの言葉を聞くや否や慌てて部屋を飛び出した。

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