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研究所のトイレから現地に影移動する事5分。
首都とされる街より少し離れた森に影移動したため、今現在走って街の中心地に移動中。
「ふぅ…なんとか間に合った」
広場の時計を見ると15時まであと8分だった。
広場の奥の方には2mの台が設置されている。
台の上には槍と剣を持った兵士みたいのが二人と、手を頭の位置で拘束されている可愛い女の子の3人だけ。
広場には人がこれでもか!と押しかけていてとても入れそうにはない。
うーん…あの後ろの家のベランダから降りた方が早いかな?
俺は台の後ろ側の家に移動して勝手に中に侵入る。
この家の住民には可哀想だったけど、少しの間気絶しててもらおう。
ベランダまで歩き時計を見ると処刑時刻まであと4分だった。
あと2分は猶予がある…リザリーから渡された紙でも読むかな。
なになに…
お姫様は国王の娘の長女で18歳。
クーデター的なアレで国王は先日遺体で発見された。
王妃とお姫様の妹と弟は保護する事に成功。
クーデター的なアレの原因はお姫様と国王の趣味が原因。
自分の私利私欲のために数十人もの罪無き人を拉致、殺害した事が明るみに出たためらしい。
お姫様は自らの知識欲の為に様々な人体実験をしていた。
PS.私たちの研究にそのお姫様の知識が欲しい。
この研究が完成すれば、とある伝染病のワクチンが開発できる。
伝染病の名前はルーベラ出血熱。
ふーん…人体実験をねぇ。
どうやら昔の俺と同じ事をしてたらしいな。
にしても…国王は一般人を拉致って何をしてたんだ?
殴る蹴るなどの暴行か?…そりゃクーデターも起きるわな。
おっと、時間1分前だ。
俺は紙をポケットにしまうとベランダから飛び降りた。
「な、なんだ貴様は!」
「台の上から下りろ!」
急に降ってきた俺に驚き兵士は武器を構える。
「やだね」
「ぐ!…がはっ!?」
素早く兵士の懐に入り顎にアッパーを食らわして腹に肘打ちを食らわせた。
「殺しはしないよ…寝ときな」
腹を押さえて前屈みになった兵士の首を殴る。
「貴様!」
「おっと」
「うわっ!」
剣を抜き俺の所に向かってくる兵士の足を払う。
「ちょっと借りるよん」
兵士から剣を奪い、柄で背中の一点を殴る。
ツボ押し剣裏六式昏急。
「な、なんだあいつは!」
広場に集まった民衆が俺と倒れた兵士を見てざわつく。
「あー、あー…みなさん落ち着いて!今の所、みなさんに危害を加える気は全くありません!」
俺はそこらへんに落ちてた拡声器を拾って喋った。
「ちょっとこの女の子を助けに来ただけなので直ぐに帰ります!」
よいしょ…と俺はお姫様?を肩に担ぐ。
「助けるだと!?」
「そんな事が許されるとでも思ってるのか!!」
「その女は死刑だ!」
「その女は悪魔だぞ!」
広場に集まった民衆は俺の言葉に一瞬静かになったものの、一気にヤジを飛ばす。
「許される?死刑?悪魔?…お前らいったい何様だ?」
「「なんだとー!!」」
「お前こそ何様だー!」
「突然乱入しやがって!!」
「余所者が首を突っ込むな!!」
民衆は激怒したように飛ばすヤジをヒートアップさせる。
「ああ、言い忘れたけど…このまま素直にお姫様を渡してくれないんなら皆殺しにする予定だからさ?」
「出来るもんならやってみやがれー!」
「どうせハッタリだろ!!」
「お前みたいなヒョロい奴に何が出来る!」
ふーむ…まさか脅しをハッタリだと思うとはな。
弱い人ほど群れると自分が強者になったかのように錯覚するんだよねぇ。
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