39
「「「な…!?」」」
ココに集まってきた4人がショコラを見て驚いた。
「??」
本人はなんで驚いてるのか分からずに首を傾げてる。
…その不思議そうな顔と仕草が可愛いな~。
「お前の知り合いか?」
「んーん、全然」
「貴女は…もしかして土竜ラグイーズさんでは!?」
ショコラが首を横に振ると俺の隣で固まってた奴が質問した。
「え?そうだけど…?」
「「「やっぱり!!」」」
「うわー!僕、光栄だなぁ!あのラグイーズさんと話せるなんて!」
「俺は見るの初めてだが、噂で聞いたのと同じ…いやそれ以上の可愛いさだ…」
「コレがあの土竜ラグイーズ…!まさかこんな近くで見れるとは!」
男達の矢継ぎ早の言葉にショコラは少し後ずさる。
ついでに俺もこいつらから少し離れた。
「えーと…誰?」
「あ、すいません…俺たちもこの学校の卒業生でして」
男達の中で比較的冷静だった奴が質問に答える。
「貴方達の二つ下でした」
「あー…昔在学中の後輩だった人達」
納得したように手をパン!と叩く。
「土竜ねぇ…懐かしい響きダナー」
異国では漢字の読みでモグラって意味もあるが…
土竜とモグラじゃ似ても似つかないと思うけどな。
なんでモグラの異名が竜なんだろう。
昔のモグラは竜に近い姿だったのか?
だから土の竜で土竜?
「もしかして…あの倒れてるのはラグイーズさんがお一人で?」
「そだよー?だって手伝ってくれなかったもん」
「凄い…!他の先輩方も集団で戦ってたのに単独で倒すなんて…!」
ショコラは意地悪そうな可愛い笑顔で言う。
「なに言ってんだか…お前の手を出すなって言葉を忠実に守った偉~い俺を責めるのか?」
俺はやれやれ…とため息を吐きながら肩を竦める。
「冗談だよ冗談!アレを譲ってくれた事には感謝してるって、だからそんな冷たい言い方しないでよー」
あはは!と快活に笑いながら俺の腕に絡みつく。
「…もしかしてそちらの方は彼氏ですか?」
「えー?どうかなー」
「いや、否定しろよ」
「だって最近別れたしー…丁度良いから私たち付き合っちゃう?」
ショコラからまさか提案。
当然俺の答えは決まっている。
「いや、無理」
なんてテンプレートな事を言うと思ったか?
残念でしたー!!言うわけないだろバカヤロー!!
あ、やべ…嬉し過ぎて変なテンションになっちまってんな。
俺はショコラの問いに一拍おいて答えた。
「俺の答えが二文字以上あると思うか?OKだ」
「え…うそ…やだ///冗談のつもりだったのに///」
「だろうな、別に本気だとは思ってないさ」
「うー///あ…でもそういえば昨日、新しい彼氏出来てたや///言い忘れててゴメンね?」
「の、NOOOOOOOOO!!!」
ショコラの照れたようなハニカミから発された言葉は、天国から一気に地獄へと殴り落とすような…
とりあえず俺の強靭な精神に強烈なダメージを与えた。
俺は両手で頭を押さえて地面に膝を着き体を反らす。
やっと…やっと俺にも恋人が出来たと思ったのに!!
こいつらの告白を真に受けたのが間違いだった…
今度は本気か?と信じた俺こそがバカだったのか。
「え、えーと…あの…」
「…こういう時、なんて声をかければいいか分からんな」
「慰めの言葉を言っても惨めにしかならん」
「…とりあえず見守っておこう」
養成学校時代の後輩?達からなんとも言えない哀みの視線を向けられる。
「大丈夫だよー、慣れっこだし」
「すん、今回のは流石にキツかった…が!もう大丈夫!」
俺は鼻を啜り無理やりテンション上げながら立ち上がった。
くそぅ…!今回のは心構えが出来てなかったから予想外の精神的ダメージを負ったぜ。
今回のダメージは昔…初告白を悩んだ挙句にOKした後、実験のモルモットにされた時のショックと似てる!
「相変わらず立ち直りが早いねぇ」
「悪質なイタズラしやがって…」
「忘れてたのはホントだし、ちょっとだけ本気だったってのもホントだよ?」
昨日の人が告白してこなかったら今頃私たち付き合ってたかもね。と照れながら笑った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます