36
「う…」
「流石に頑丈だな」
生徒達を応急手当をしようとしたが打撲ぐらいで目立った傷はない。
「うーん…もったいないけど、仕方ないか」
俺はポーチからおそらくかなりの値段がするであろう傷薬を取り出す。
この傷薬は最近、エルーとリザリー…時々マキナで開発して完成させたらしい。
試作品として貰ってまだ使った事はないが…効果は折り紙つき。
完成した時に、エルー達がそこらへんのノラ猫を取っ捕まえて試してたのを見たんだよ。
ノラ猫には可哀想だったが。
因みにノラ猫にダメージを与えたのは俺。
一応死なないように手加減…足加減?して蹴飛ばした。
壁にぶつかって全く動けないぐらいのダメージを負ってたのに、この傷薬を塗っただけで10分後には元通り元気に。
ノラ猫で色々試した結果…打撲、打ち身、切り傷、火傷、凍傷、軽度の腐蝕、軽度の麻痺までは直ぐに治るようだ。
ノラ猫にはお礼として高級鰹節をあげてたな。
と言うわけで、女の子の服を捲って打撲してる箇所に傷薬を塗る。
うーん…たいしてスベスベってわけでもないなー。
女の子なんだからちゃんと肌の調子を整えろよ。
「く!お前何してる!」
「え?セクハラだけど?」
二人目の女の子の素肌に傷薬を塗ってる所を気が付いた野郎に見つかった。
「セクハラだと!?」
「冗談だって、本気にするなよ」
上半身しか触ってないんだから…しかも傷薬塗ってるんだから胸を揉んでもセーフだろ。
あー、肌はスベスベじゃないけど、流石は女の子…胸は柔らかいなぁ。
「んっ…え…?きゃあ!」
「あ、目を覚ました」
傷薬を塗りながら揉んでると女の子が目を覚まし急いで後ろに下がる。
二人目はそこにいる一人目よりも少し揉み応えたあったかも。
「な、何を!」
「傷薬を塗ってたんだよ、ほら」
焦る女の子に傷薬を見せる。
大きさ的にはオロ○インの容器ぐらいね。
「え?あ…」
「嘘つけ!お前思いっきり胸を揉んでたじゃねえか!」
「別にお前には関係ないだろ…見ろ、1/3も使っちまったよ」
まあエルー達に言えばまた貰えると思うけどさ。
「う…どうした、そんな大きな声をだして…」
「…はっ!敵はどこだ!?」
生徒達は次々に目を覚ましていく。
「あっち」
俺はキョロキョロと辺りを見渡す生徒達にショコラの所を指差した。
「す、凄い…!たった一人で戦ってる…」
「しかもアレ、女!?」
「この学校の卒業生だよ、お前らも経験を積めばあれぐらい戦えるようになるさ」
多分な。と呟くと俺の直勘が反応。
「俺らもあんな風に…」
「なれるのか?…いや、なれるように頑張らないと」
「私と同じ女なのに…あんな大きな敵とたった一人で…」
「助けに行かなくていいのか!?」
…コレはマズイ…大変な事になるぞ。
生徒達の声を無視して髪を掻き上げる。
「お前ら一刻も早く修練場か寮に戻れ」
「なんでだよ!俺らだってまだ戦える!」
「そうか…じゃあアレと似たような突然変異体がココに集まって来ても戦えるか?」
「「「え…!?」」」
俺の言葉を聞いた生徒達は驚きのあまり絶句した。
「おそらくアレの他に6体来る、そうなるとお前らのお守りをしてる余裕なんて無くなる」
「あんなのが…あと6体も…?」
「俺らだけなら難しいではあるがなんとか出来ない事もない…」
「つまり俺たちは足手まとい…足枷と言うわけですね?」
「そういう事だ…死にたくなけりゃコレを頼りに戻れ、死にたいなら残ってもいいぞ」
何が起ころうと一切俺は関知しないけどな、と言って受信機のタブレットを渡す。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます