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「ああ…めんどうだ…次の一撃で決めるか」


「くはは!俺っちは不死鳥のごとく何度でも蘇るぜ!」



俺は剣を鞘に納めて少し腰を落とす。



「そうか…ならコレをくれてやる、七転抜刀」


「ムダムダ……!?」


「おいおい…!」



あり得ねえ、俺の七転抜刀が最初の3回も避けられた…だと?



結局残りの4回を避けきれずに斬られたとは言え、確実に剣を見切ってた…



この短時間で急激に進化し過ぎだろ!



サッサと決めねぇとマジで負けるかもしれん。



今までガード出来た奴はいたが、見切って避けた奴なんて一体たりともいなかったのに…!



「くはっ!ヤバい!ヤバいって…!」



突然変異体の再生が始まるや否や俺は七転抜刀で斬り裂く。



「はは…!」


「まだ死なんか…結構しぶといな」



どうやら頭から再生するらしい事を知った俺は、再生する度に剣で頭を突き刺す。



「は…は…なか…なか…たのし…かったぜ…と」



再生→刺す→再生→刺すを何十回も繰り返してる内に突然変異体は喋りながら力尽きた。



「今まで戦った実験動物の中でも上位に入るぐらいの強さだったぜ…」



全然血で汚れてない無名を鞘に納めて部屋を出る。



「遠間お前!強く…なったな!」



廊下に出るや否や教官が走ってきた。



「あー、ども」


「あれだけ強い実験動物を相手にほぼ無傷とは恐れ入った」


「ショコラの方はどうなってんの?」



適当に教官の言葉を受け流しつつ105に向かう。



「あいつの方は…」


「おおう、すげぇ」



ショコラのいる部屋を見るとワーウルフもどきが部屋中を縦横無尽に飛び回っていた。



「変わるかー?」



ドアを開けて一応ショコラに聞いてみる。



「えー、そっちはもう終わったの?」


「おう、結構ヤバかったけど」



あのまま普通に戦ってたら負けてたかもな…と呟く。



「へー…こっちもこっちでなかなか…っとぉ!強いよ?」



ショコラは喋りながらも敵の攻撃を避けたりガードしたりしている。



「…中々余裕があるようだな」


「まあ動きを見る分、本気には程遠いっすね」


「確かに…魔術を使わず遊んでるように見えなくもない」



久しぶりの強敵?が相手だから戦いをワザと長引かせて遊んでるんだろうな。



そうじゃなきゃ魔術一発で倒してるハズだし。



「ショコラ、遊んでないでいい加減終わらせろよー!俺は先に別の場所に行っとくぞ?」



見てるのも面倒くさくなった俺はドアを半分開けて大声で言う。



「えー!仕方ないなぁ…次で遊べばいっか」



拗ねたような表情になった後にため息と共に呟いた。



そして敵の攻撃をひょいひょい避けながら呪文を唱え始める。



呪文を唱え終わり床に剣を突き刺すと、部屋の半分の床が無数の細く鋭い針状に隆起した。



「剣山串刺し出来上がりっと…」



天井まで届きそうなソレは、見ててさながら生け花の剣山を大きくしたような印象を受ける。



いや、剣山よりも針と針の隙間は少ないかもしれない。



針山地獄…と言う表現にぴったりなソレに全身を貫かれたワーウルフもどきはおそらく生きてはいないだろう。



よしんば生きてたとしても再生はできまい。



「終ーわりっと!」



ショコラが床から剣を抜くと隆起していた針山地獄も元の床に戻った。



ワーウルフもどきの肉片はかなり細くなっている。



…どうやら自慢の再生能力も意味を為さなかったらしいな。



「さーてさっさと次行こうか?早くしないと他の人達に取られちゃう」


「へいよ…次はどこ?」


「相変わらずの強さだな…この発信機を見れば分かるハズだ」



俺の時とは違った意味で呆然と立ち尽くして見ていた奴らの中で、唯一ショコラの実力を知ってた顔見知りの教官が苦笑いしながら受信機のタブレットを渡す。





























































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