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「ヴゥモ!ヴゥモ!」
…おいおい、おいおいおい!!
なんだそれ?まて、なんか身体つきが変わってきてるんだけども!?
ドラゴ○ボールの魔人○ウか!!
どんどんスリムに…なんか実用的な感じに縮小してるんですけど!?
こんなのこの世界では初めて見たわ!
いや、逆にそんなスリムな体型になっていくのは初めてだけども。
え?あの吸収しまくったやつから、初期に戻るような…そんな感じなの?
違うよね?明らかにミノタウルスと魔○ブウじゃ体の作りが違うよねぇ!?
突然変異体は苦しそうに鳴きながらどんどんと身体が小さく引き締まっていく。
俺も、外で見てるギャラリーも唖然呆然。
スキだらけで先手必勝、一撃必殺に持ち込めるチャンスだったのに…
俺は愚かにもその楽できるチャンスを逃してしまった。
そして6m強あった身長が最終的には1/3の2m強に。
色々と圧をかけて収縮したんなら…単純計算でおそらく力は元の三倍。
「すー…はー…すぅ…ふっ!」
「…マズイかも」
深呼吸してるのを見て俺が呟いたその瞬間、突然変異体は一瞬で目の前に現れ黒光りする蹄で殴りかかってきた。
「やっぱり」
瞬間的に剣でガードするとギイイン!と硬いものがぶつかり合う音がして吹っ飛ばれる。
「ははははは!!」
「人間みたいな声を出しやがって」
突然変異体は吹っ飛んだ俺を追いかけるように走り出した。
またしても空中で体勢をくるりと変えて壁に着地して、飛びかかる。
「ははは…は!?」
「バカだねー」
飛びかかると直ぐに両者がぶつかるぐらいの距離が既に詰められていたけど別に驚きはしない。
それとは対照的に、突然変異体は飛びかかってきた俺を見て驚いたような声を上げ迎撃しようと蹄を振りかぶった…が対応が遅すぎる。
「右腕もらい」
すれ違い様に突然変異体の右腕を斬り飛ばす。
「くはっ!くははははは!!」
「スキだらけだぜ」
無くなった右腕の方を見て高笑いする突然変異体を後ろから突き刺した。
「すき…だら…け?」
「うわ…牛頭のくせに人語を解するようになってやがる」
すぐさま剣を引き抜いて首を刎ねようとしたがしゃがんで避けられてしまう。
避けられはしたが剣を振った勢いを利用して体を捻り後ろ回し蹴りを顔面に食らわせた。
「はは!ははは!スキだらけだぜ!」
「マジかよ…」
確実にクリーンヒットしたにも関わらずしゃがんだ状態から微動だにしない。
左腕でのカウンター的なパンチを、突然変異体の頭を押すようにして後ろに飛んで避ける。
「マジかよ…」
「オウムのように言語を真似しやがって…ムカつくぜ」
この突然変異体、かなり知能が高いのか俺の言葉を真似するように喋りやがった。
「むかつく?ムカつく?」
「ああムカつくねぇ」
首を傾げて聞いてくる突然変異体の左腕も斬り飛ばす。
「ははは!ムカつくか!そうかそうか!ムカつくのか!」
「両腕無いくせに相手を逆撫でさせてんじゃねえよ」
「そうかそうか!」
突然変異体は高笑いしながら俺の剣を避ける。
「ならば…こんなのはどうだろうか?」
「うわ…無駄に会話になりやがった」
ボコボコ…!と突然変異体の傷口から両腕が生えてきた。
「ははは!再生能力すげぇ!俺っち最強!」
「いったい何キャラだよ」
「チート?コレがチートってやつか!?ははっ!」
まるで精神が何かに乗っ取られたように笑い続ける。
「うっぜ」
今度は俺の剣を避ける様子も見せずに横真っ二つに斬られた。
「やっべ、今のは死ぬかと思った!でも回復してるぜ!俺っちマジ最強!」
倒れた上半身の切断面からボコボコ…!と下半身が再生する。
そして、そこに倒れてるハズの下半身が無い。
…ものすごい再生能力だ。
「くはっ!そんじゃ、今度は俺っちのターンね!」
「お前のターンなんてねえよ」
顔面に向かってのパンチをスレスレで避けてカウンターの要領で首を刎ねる。
妙に人間臭い攻撃になったな…まあさっきよりも戦い易くなったけどさ。
「ムダだって!」
刎ねたハズの頭も再生し腕を曲げてガシッと俺の頭を挟んで拘束した。
見た目的にはヘッドロックに近いかな?
「さあどうかな?」
振り切った剣を返す形でまた首を跳ねる。
…全くと言っていいほど血が出ねえな、こいつ。
頭が再生する前に右肩も斬り落として拘束を解く。
「ははっ!無駄な努力が…」
「頭と右肩は同時に再生しないんだな」
もういっちょ首を刎ねて左肩を斬り落とす。
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