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分かりやすく言うと、片栗粉を溶かした水を殴る的な。
アレを殴ると水とは思えないぐらい結構硬いじゃん?
その原理も反発力がうんたらかんたら…
ソレの超高性能版。
だからこいつに連続でダメージを与えるにはどんどん強い攻撃をしないといけない。
魔術も、武器による攻撃も、打撃も…一撃当てたら二撃目は更に強くしないとダメージはゼロ。
つーか打撃とか武器で何回もこいつに攻撃したら折れるぜ?
骨も武器も。
魔術に至っては三回目から低反発よろしく跳ね返すし。
リフレクト機能ってやつね。
「…まさに最強のスライムね」
「だろ?」
こぶし大のスライム状の物体を本体?に投げると、とぷん…と一つになった。
「まあでも機能はコレだけじゃないぜ?」
「ええっ!まだあるの?」
「ショコラ、それを彼方に吹っ飛ばす勢いで蹴ってみな」
「?わかった」
ショコラは助走距離を取って走りだし、思いっきりスライム状の物体を蹴る。
「!?」
「どうだ?面白いだろ?」
だがスライム状の物体は飛んで行かずに蹴られた部分だけが液体化していた。
蹴られて飛んで行ったのは少量の水。
その蹴られた水が飛沫になってあたりに舞う。
因みに俺らはスライム状の物体の側面にいたため、濡れるなどの被害は被っていない。
「コレは圧力の問題でな…かなり遠くまで飛ばされそうな高圧力を感じたら、その部分だけ液体化してスライム本体はその場に留まるような仕組みになってる」
「うっそーん…」
あらゆる弱点を考え、補った俺の5年間の研究?の結晶だ。
これぞ究極の生物、最強のスライム!!
「おっと、ちょうどいいな」
俺がパチンと指を鳴らすと地面に落ちた水飛沫がモゾモゾと一ヵ所に集まり、スライム状の物体になる。
「うわ!増えた!」
「実は分裂も可能なんだよな」
俺の隣にいたスライム状の物体が二つに分裂し、更に4つに分裂した。
離れた場所にいたスライム状の物体もそれに合わせるように分裂し始める。
「…いくらなんでも多過ぎるぞ」
「最強のスライムA~Zだ」
「26体…コレは囲まれてるわね」
「こんないっぱい相手しきれないよぉ」
流石のこいつらも結構な数のスライム状の物体に囲まれて焦ってるみたいだ。
「そして更に」
もう一度パチンと指を鳴らすと全部が二つに分裂する。
「うわ~…完璧に無理ゲーだ」
「明らかにゲームオーバーね」
「スライムあ~ん…ありゃ、二つ余ったか」
五十音で名前つけるとしたら旧仮名を足しても二つ分足りねぇ。
因みに大きさは全部一緒で普通のスライムぐらい。
「戻れ」
一体のスライム状の物体が時計回りに転がりながらどんどん合体して、俺の所に来る頃には元の一体に戻っていた。
「ふぅ…絶対絶命の状況になんて久しぶりになったよ…」
「私もよ」
「俺もだ」
「一匹でも倒せないのに、あんなにいっぱいに増えたら…ねぇ?」
4人は一体に戻ったスライム状の物体を見て安堵の息を吐く。
「こいつの機能は主に魔王城の防衛にあてるつもりで作ったんだ」
「?その言い方だとまだ何かあるの?」
「ん…まあな…基本的にこいつの働きは専守防衛で迎撃のみなんだけど…」
攻撃的な機能も半端ないんだよな…
「?どういう事?」
「攻撃的な…機能?」
「能力って事か?」
「ん~…そだな、エルーの言った通り能力だな」
スライム…特にこいつの攻撃能力はヤバい。
おまえ達と戦ってる時は何もさせずにされるがままだったが、迎撃機能が入るとあんな風にはいかない。
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