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あ、そういえば…表現し忘れ?…てたのかな?
今は部屋の中真っ暗だよ?
あの少年を部屋から追い出した時に、ドアや窓も閉めて電気は全部消してある。
…部屋が真っ暗か明るいかなんてどうでもいっか。
つーわけで、俺が風呂場に向かう十数秒の間にリザリーは寝息を立ててた。
風呂に入れてる間も起きる事なく寝ている。
もはやさっきのアノ状況の後に悪戯する気力もない。
だけど不完全燃焼感はものすごく、ムラムラって表現じゃ表し切れないぐらいだ。
…このままじゃ寝れねえな…
下手したらっつーか、このままじゃほぼ確実に寝てるリザリーを襲うぞ。
リザリーの寝顔をオカズに自家発電ってわけにもいかないしなぁ…
幼馴染をオカズにするって背徳感も半端ないぜ?多分。
うーむ…………とりあえず日付も変わったし、夜風にでもあたって落ち着くとするか。
リザリーの髪をドライヤーで乾かし、バッグから服を取り出して着替えさせてベットに寝かせる。
…童貞の男が女の子のブラやパンツを履き脱がし慣れてるってどうよ?
確実に変態だよな…はぁ、俺だって好きで慣れたわけじゃないのに。
俺は肩を落としながら部屋を出て夜中の街に出向いた。
「あれ?」
「…まだ寝てなかったのか」
宿屋を出て直ぐにあの少年が歩いてくる。
「いやー、少し夜風に当たりたくて」
「そうか、俺もだ」
俺がそこらのベンチに座ると少年も距離をあけて隣に座った。
「…何も聞かないんですか?」
「なにがだ?」
何で俺、こんな夜中に野郎と二人っきりでベンチに座ってるんだろう…
男じゃなくて女の子とだったら多少は雰囲気が出るのに。
野郎と座るぐらいならまだ一人の方がいい。
「俺の事、怪しいと思わないんですか?」
「思うに決まってんだろ」
「じゃあ…なんで…」
「聞いた所でお前に答えられるのか?」
あー、こういう時に煙草吸いてぇなぁ。
まあ俺は吸わないし、吸った事も吸おうと思った事も今以外無いんだけども。
ほら、煙草って肺の機能が落ちるじゃん?
だから俺らみたいに戦う奴らのほとんどは吸わないんだよね。
体力が落ちると困るし。
ぶっちゃけ…俺らみたいな戦闘要員からしたら煙草って吸う意味が分からない。
煙の臭いで場所がバレるし、体力も落ちる、肺の機能も落ちて呼吸法が限られてくる。
挙句に他人の寿命を縮めるんだろ?良い事が一つもねぇじゃねえか。
「そう…ですね、答えられるかどうかは…分からない」
「じゃあ聞いても無意味じゃねえの」
俺は隣にあった自動販売機で飲み物を買って少年に渡す。
「ありがとうございます」
「つまらん事考えてないでソレ飲んで寝ろ」
「…はい」
少年は缶の飲み物を飲み干して宿屋に入って行った。
まあ他の次元、他の世界から来たんなら不安になるのも、それで寝れないのも気持ちは分かるけどな。
俺も最初に魔界行かされた時は……っとソレとコレとは大分違うかも。
安全地帯と危険地帯…いや、結局はあの少年からしたら知らない世界であるココも危険地帯、か。
それでも魔界、天界、冥界と違って敵に襲われずにゆっくり寝れるけどな。
あっちじゃ行ったその日から朝昼夜と構わず襲われてたぜ…
寝不足で何百回死にかけた事か。
「ふあ~…っ…俺も寝るか」
大分気分も萎え…もとい落ち着いてきたし今なら無意識に襲う事も無いだろ。
缶をくずかごに捨てて宿屋の部屋に戻る。
「うおっ!?」
「んん…マキナぁ…」
寝ようとしてベットに腰掛けた瞬間、支えにしてた手をリザリーに引っ張られ後ろに倒れた。
そのまま倒れた俺に絡みつくように抱きついてくる。
今、こいつ寝言でマキナの名前を呼んだ?
…気のせいか?多分空耳だろう。
「んん…ダメ…ソコは…」
「なんの夢見てんだよ…」
リザリーは俺の腕と脚にアソコや胸を押し付けながら悶えていた。
「ふふ…しかえしよ…」
「!?ちょっ…!待てって!」
俺の首筋に噛みつき、吸うようにしてキスマークをつける。
「くっそ!」
「ああん…」
無理やり振りほどくと残念そうにエロく呟いた。
俺はダッシュで洗面所に走り鏡で噛まれた所を見る。
あ、くそ…!やっぱりキスマークみたいになってんじゃねえか!
しかも二ヶ所かよ…無駄にクッキリ付けやがって。
もういいや、寝よ…明日になったら消えてるといいけどな。
今度はベットに入らずにソファで寝た。
…最初っからソファで寝れば良かったかも。
「もっと早く思い至ればよかった…」
そうすればこんな無意味な…はぁ。
この次の展開…明日朝の出来事が簡単に目に浮かぶぜ。
俺は色々と考えて最終的に諦めそのまま眠りについた。
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