36
「へ?」
リザリーのキョトンとした声が聞こえたと思ったらスッと手が軽くなった。
「ふっふっふ…どうだ、止める気になったか」
「あんた何言ってんの?」
「は?」
本気で理解出来てないような不思議そうな声で聞いてくる。
その声に今度は俺が聞き返すハメになった。
「自分でシたり、自家発電で道具を使う事は浮気の内に入るの?アウト?」
「いや、それは完全にセーフだけど」
「でしょ?んむ」
「はうぅ!!?」
しまった!!図られた!いや…墓穴を掘ってしまったと言うべきか…!
リザリーの力が抜けてたから、油断して俺も手の力を抜いたら…
ガードを破られてしまったではないか!
「き…汚いぞ!人が…っ、油断してる…は、隙に…!くぅ…!」
「んふふ…油断大敵ってね…あんたは道具と似たようなもんだから浮気の内には入らないわ…んちゅ」
ついに奴隷でもなく、人…というか生物扱いさえされなくなった。
「ぅく…!これ、ヤバ…!?」
「この体勢やりにくいわね…ほら、後ろに倒れて」
「うわっ!!」
リザリーに逆手で首を掴まれてそのまま後ろに押されて倒れる。
元々重心が不安定だったため…俺は簡単にベットの上に仰向けになった。
まあ仰向けになったのは上半身だけ、なんだけども。
「これで…んむ、やりやすくなったわ」
「ぬぐ…!くそっ、退け!」
「やーよ」
何が悲しくて女に押し倒された挙句に、のしかかられにゃならんねん。
受けは俺の性に合わないっつーのに。
今、俺の顔には細くて割れていないリザリーの腹がくっついている。
俺は必死に抵抗するも逆マウントを取られてるような形なので全然力が入らない。
…どうあっても退かないつもりか、ならば!
「…ひゃっ!ちょっ…!程人、あんた何を…!」
「さっさと退けば止めてやるよ」
ちょっとした嫌がらせをするためにリザリーのお腹をペロペロ舐める事にした。
…決して特殊な性癖とかじゃないからね?そこんとこ勘違いしないでね。
「ふあ!くすぐった…そっちがそのつもりなら…んっん…」
「ちょっ…!ま、それ深っ!うぐぅ…!」
…oh…どうする…どうしたらこの状況を打破できる?
このままでは官能小説と間違われてしまうかもしれん。
ちくしょう…せめてこの体勢をなんとかできれば…
………そうか!分かったぞ!この体勢をどうにかできる方法が!
「んむ!?んー!んー!」
俺はリザリーの胴をガシッと掴んで右にゴロッと反転するように転がった。
「ふう…なんとか体勢を変えれたぜ」
「んむぅ!!んー!んー!」
リザリーが必死に何かを訴えかけるように俺の腰を叩く。
…下を見ると俺のアレが全部リザリーの口の中の奥深くに…って説明してる場合じゃねえ!
早く引き抜かねえと!
「げほっ!けほっ!…っ、けほっ!あんた…ねぇ…!」
「悪い、何に誓ってもいいがワザとじゃない」
「けほ、喉の奥まで無理やり突っ込むとか、どんだけ鬼畜なのよ…けほっ、けほ」
顔を赤くして涙目で睨んでくるリザリーが可愛くてしょうがない。
気を抜くと無意識の内に襲ってしまいそうだ…気を引き締めなければ。
「ぅ~…そのせい……狂うぐら……ィ…っちゃったじゃない……もう…」
ベットの反対側に逃げた俺に背を向け、リザリーは股の方を触りながらブツブツと文句?を呟いている。
「悪かったって言ってるだろ…つーか原因の二割はお前にあるんだからな」
「っ!?まさか…聞こえていたの…?」
「少しだけな」
「~~~!////」
顔を赤くして恥ずかしそうに声にならない声をあげ、そこらへんのマクラを抱いて顔をうずめベットに沈んだ。
「おいおい…寝るならせめて風呂入ってからにしてくれ、マッサージで相当汗かいただろ」
「…じゃああんたが入れてよ」
「何不貞腐れてんだよ…ホントお前の甘えキャラはメンドくせえな」
甘えキャラ…っつーか結局は俺に働かすから、いつもと変わらないんだけどね。
なんとなく甘えキャラって言ってみたかっただけ。
まあこんなリザリーも昔から見慣れてるし…今更邪な気持ちとか湧いて来ないよね。
俺はため息を吐いてリザリーをお姫様抱っこして持ち上げ、部屋に備え付けの風呂場へ向かう。
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