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でもこれも一応は運命の巡り合わせってところかな。



…だからなんだ?って話なんだけどさ。



せめて野郎じゃなくて顔面偏差値高めの女の子だったら良かったのに。



「冒険者ギルドの前ギルドマスターっしょ?ま、頑張ってね」


「ま、待ってくれ!」



手を上げて颯爽と去ろうとしたら男に引き止められた。



「なに?俺は急いでるんだけど」



俺は手首を少し上げて腕時計をトントンと叩く振りをする。



腕時計なんてしてないから実際は手首を叩いただけってば。



「君に聞きたい事があるんだ!」


「ん~…時間無いから質問は二つまでね」



コメカミに指を当て、少し考えてから指を二本立てた。



「君は誰なんだ?」


「答えられない」


「は?」



男は間の抜けたような顔で聞き返す。



…誰も質問には必ず答える。なんて言ってないぜ?



「質問はそれだけか?もう行きたいんだが」



残された時間は残りは約15日半。



一回で思い通りに作れるとは思えないから、今は一分一秒でも時間が惜しいんだよ。



「まてまて!答えになってないじゃないか!」


「答えられない。が答えだよ、文句あるんならもう行くぞ」



俺は男に背を向けて歩き出す。



「いや、悪かった!頼む!もう一つだけ質問させてくれ!」



男は後ろから俺の肩を掴んで謝罪しながら懇願する。



「…仕方ねえな、なんだ?」



一応はこいつらが居たから四つ目の材料を思いのほか簡単に取れたようなもんだ…



あと一つぐらいは聞いてやろう。



「なぜ君みたいのがココに…魔界にいるんだ?」


「んー………旧時代の遺物を使った」


「旧時代の遺物…?」



まあ8割ウソだよね。



そういう遺物はかなりレアだけども確かに存在する。



「そ、行き帰り含めて一回しか使えないけどな」


「そんな物が…?」


「質問には答えたし、俺は行くよ…じゃねん」


「待ってくれ!まだ聞きたい事が…!」



歩き出そうとしたらまた肩を掴まれてしまう。



「はぁ…じゃあ紙とペンを貸して?」


「!分かった」



男はすぐさまバッグの中を漁って紙とペンを差し出した。



俺はそれに簡易的な地図を書き出す。



「ほい、この場所に明日の昼までに着ければ少しの間だけ質問に答えてやるよ」



男に紙とペンを返し、当然俺が答えられる範囲でだが。と付け足した。



「方角はあっちが北であっちが南、こっちが東でそっちが西だ…コンパスなんて役に立たないから気をつけろよー」


「あっ!」



方角を教えて、俺はダッシュで男から身を隠すように離れてから影移動する。



あの洞窟までの距離はだいたい80kmぐらいはあるかな?



さてさて…死なずにたどり着けるかどうか楽しみだ。





























































アレから材料を集めまくり、あとは最後の材料を残すのみ…となった。



俺は影移動が使えるため、本来なら半日あれば全て集められたんだけど…



ちょっとした計算ミスがおきてしまった。



七番目の材料である鉱石は、特殊な鉱石で…



採掘できる時間帯が限られている。



その時間帯がだいたい昼11時~昼12時の間だけだったのだ。



その事を失念してたため、思い出した時にはもう遅い。



周りは暗闇に包まれて夜になっていた。



魔界の鉱石は植物と似ていて、時間帯毎に変化する。



つまりは、少しでも時間がズレたら狙った性質とは違う性質に変化してしまうのだ。



つーわけで…結局あの男に渡した地図の目的地である洞窟内で一泊する事になった。



で、今の状況に至る。



やっと目当ての性質の鉱石を採掘出来た俺は、一応時間まであの男を洞窟の入口で待つ事にした。

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