18

「あ、でもそれも良いかもね…///」


「それも、じゃなくてそっちが普通なんだよ」



なんで男×女じゃなくて男×男なんだよ。



その発想はどこから生まれたんだ?



「えー…でも面白そうじゃない?程人君×エルー」


「かけるな!俺は全っ然面白くないし」


「間違えた☆エルー×程人君だ」


「そこをツッコんだんじゃねえよ、つーか俺を受けにするな!」



マキナはてへっ、と可愛らしく舌を出す。



くそっ、顔は可愛いが内容はえげつねぇ。



どうする?この会話の泥沼から抜け出すにはどうしたらいい…?



……………!分かった!逆転の発想で女×女の話を…



…と言っても女の子達は普通にそう疑うぐらい仲良いから意味無いか。



「ならば美形と美形、リザリー×マキナでどうだ」



とりあえず無意味と知りつつも言ってみた。



「え?リザリーってたまにネコになるよ?」


「!?」


「いつもはクールなリザリーがベッドの上では可愛らしい声で…」

「ストップ」



これ以上は俺の精神衛生上非常によろしくない。



ってかリザリーも受けに回る時があるんだ。



養成学校時代に何回か三人のベッドシーンは見たことあるから、普通に話す事については別に驚きはしないが…



リザリーが受けになる、ってのが中々の衝撃だ。



「どう?完成した?」



噂をすればなんとやら…リザリーがドアを開けて入ってきた。



「…なによ」



さっきの話を思い出して思わずリザリーの顔を凝視してしまう。



「別に?今日もクールビューティーだなーって」


「当たり前じゃない」



とりあえず適当にごまかしてその場を流す。



「これがあの剣なの…?」


「凄いね…圧倒されちゃう」



リザリーは完成した大剣を拾って持ち上げる。



「元からこの形なの?」


「いや?元の形が分からんから、絵本とかに出てくる勇者の大剣をモデルにした」


「へ~…」



結構な重量の大剣を両手でブンブン振り回していた。



「中々重いわね」


「振りかぶって上から下に一刀両断するタイプらしいからな」


「貸してー…わ、ホントだ」



マキナはリザリーから大剣を受け取ると素振りを始める。



「これ、結構、良い、運動、に、なる、ね」


「果たしてあの少年にコレを振り回せるだけの膂力があるか…だよな」



実戦で縦は難しいだろうな、振り上げてから振り下ろすまでに時間がかかりそうだ。



体を回転させるような感じで横に振り回せば、遠心力も追加されて横一閃の一刀両断がし易くなる。



ただし、縦に振り下ろすのと違って横に振り回すのは扱いが困難だけど。



「そこらへんは大丈夫だと思うわ」


「そういえばエルーがこの一週間、スパルタで稽古をつけてたね」


「あいつも暇なんだな…」



なんでそこまでやる必要があるんだよ。



ホントにこいつら……お人好しったらありゃしねえ。



理由はどうあれ、材料の採取に同行したり…剣の腕を鍛えたり…主人公補佐か。



まあソレを言うと無償で剣を鍛えてあげた俺も補佐の中に入るんだが。



俺って優しいー…今は人間じゃないのに、めっちゃ人間できてるよな。



「剣も完成したし、久しぶりに外にでも出ようかな」



勇者の大剣(モデル)を持って研究所の外に出た。



「おっ、遂に完成したのか?」


「ああ」


「中々デカイな…ちょっと貸してくれ」



実はこの剣、全長が150cmほどの大きさがある。



リザリーとマキナはこの自分の身の丈ほどもある大剣をいとも簡単に振り回していた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る