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なんとも微妙な結果に副会長も苦笑いしかできない。



まあ一応ルールはルールという事で…



マキナとリザリー二人のサイン入り色紙が副会長に渡された。



ソレを全然嬉しくなさそうに微妙な表情で受け取る。



副賞?の『二人が抱きしめる』権利は使い魔のグリフォンにいくらしい。



ただ単に毛皮でモフモフしたかっただけのようにも思えるんだが。



まあともあれ、二人がグリフォンの毛皮でモフモフしてる図はなんとも眼福だった。



可愛い、の一言に尽きる。



俺もモフモフしてみたいが、キャラに合わないので断念。



ああ~…ネコとかとイチャイチャしたいなー。




あ、俺はタチでもないよ?猫の方ね猫。



因みにこの副会長、さっき理事長室で会った奴である。



「次はこの俺だ」



副会長への色紙の授与とグリフォンへのモフモフが終わると、なんとも唯我独尊を地で行くような男が現れた。



現れた、ってか元から居たんだけども。



「どいつもこいつも情けない…こんな両手両足を拘束された庶民ごときに翻弄されやがって」



微妙な赤い短髪を掻き上げるような仕草を取り、ため息を吐く。



顔はワイルドなイケメン、容姿レベルは上の上だ。



副会長は一人称が僕だからテンプレ的に優男みたいなイケメンだった。



とりあえず…さっきもそうだったけど、女子がキャーキャーうるさい。



…やっぱり人間は顔か。



「おいお前、その拘束具を外せ」


「その前に敬語使えやクソが」




俺は偉い人でも敬語なんて使わないけど、こんなガキにタメ口使われたらイラつくわぁ。



「この公爵家の跡取りである俺がお前みたいな庶民に敬語だと?はっ」



会長は俺の言葉を鼻で笑い飛ばす。



ぐおぉ…!殺してぇ…!そのイケメンフェイスをボッコボコにしてやりてえぜ。



「この俺がお前みたいな庶民と戦ってやるんだ、拘束具などと言うハンデなど必要ないだろ?」


「じゃあ外してみろよ…ふん、貴族の坊ちゃんごときが外せるシロモノでは無いと思うがな」




俺も挑発するようにして鼻で笑う。



「その言葉…後悔するぞ?」



会長が線の内側に足を踏み出そうとした瞬間、俺は一瞬で屈む。



そして獣が四足歩行で走るかのごとく手を床に着け、身体のバネをフルに活かして跳んだ。



そして跳ぶと同時に両足で蹴る。



ドロップキックと言うやつだ。



屈み、跳び、蹴るまでの動作が流れるように行われ、会長が床に足を着けた直後…



俺のドロップキックが会長の腹に減り込んだ。



時間にしてわずか1秒。



「ぐはっ!?」



会長は何が起きたかを全く理解できずに吹っ飛んだ。



俺は受け身を取りながら床に落ちる。



「切り札は最後の最後まで取っておく物だぜ」



コレはさっきの副会長戦でも出来たが、アレはグリフォンが予想外だった。



生徒や教師も反応できず、会長は最終的に壁にぶつかって床に倒れ込む。



「は…?…なっ!」



いち早く現状把握できた教師が会長の下へと走った。



何もさせずに速攻で相手を倒す。

コレ即チ戦イノ鉄則也。



「線ギリギリだから俺の勝ちー」


「ふ…ざけるな!」



会長が教師の手を振り払って立ち上げる。



大声を出した際にゴホゴホと噎せた所を見ると肋骨が何本か折れてるんだろう。



もしかしたら胸骨も一、二本折れてるかもしれない。



「おいおい、アレ食らって立てるのかよ」



あんなんモロに食らったら普通は入院コースに一直線のハズだがな。



今さらだが、さっきのグリフォンの攻撃は凄まじかった。



俺が相手だったからか、中々本気出してたよ。



普通の人間…多分ソコにいる会長だろうと確実に入院するレベル。



両腕粉砕骨折

鼻骨骨折

肋骨4本、胸骨2本骨折

内臓破裂数ヵ所。



残念ながらすぐに完治したわけじゃない。



骨折ぐらいなら早く治るが内臓破裂は…少し時間がかかる。



おかげで今でも身体の内側がジクジク痛む。



それでもまあまだ我慢できるぐらいではあるが。



会長の方は内臓を痛めるまではいってないと思うが、それでも骨は確実に折れている。



大声を出せたのが不思議なくらいだ。



その会長が生徒たちの間を縫うようにして俺の所に近づいてくる。

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