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「あれ、お前…もしかしてエリュシオン?」



ポニーテールのような髪型

剣士みたいに凛とした美人顔

無駄の無い細く引き締まった?長身

その割にD~Eぐらいはありそうな胸

背中に身の丈はありそうな大剣



そして、首にかけてる円の中に十のアクセサリー。



「人物様、主の使いによりお迎えに参りました」



俺の前に移動すると片膝を着いて頭を下げる。



「…どうした?」



俺が天界にいた頃とキャラが180度ぐらい変わってるんだけど。



え?前まで俺の事、下等生物って呼んでたじゃん…どうしたの?



「実は…」


「内容じゃねぇよ、お前のそのキャラだよ」



見下すような蔑むような態度じゃなくなってるんだけど。



「主の使いゆえ、本心ではありません」


「ああ、なんだビックリした…つーかやっと誰かに仕える事にしたんだ」



最後に会ったのはコイツが天界の騎士団の時だったからなぁ…時代はこうやって流れていくのか。



「今は時間が惜しいので雑談は後にして頂きたい」


「そんなに?」


「ココでは詳しい話は言えないのですが…」


「まあ、少しでも盗聴とかの危険は避けたいよな」



天界の誰が監視してるかも分からんし。



情報が漏れると色々と厄介だからな。



「リザリー!遊びに来たよー!…ってアレ?」


「なんだか取り込み中らしいな」



…なんなんだよお前ら、なんでこのタイミングで遊びに来るの?



タイミングはかってたの?丁度良すぎだろ、主人公か。



「丁度良い所に来てくれたわ、私一人じゃ対処できないの」


「…?どういう事?」


「せっかくみんなで遊びに行こうって計画だったんだが…無理そうだな」



は?俺、そんな事聞いて無いんだけど…え?もしかして今までハブられてたの?



「…仲間ですか?」


「まあ、友達…かな?」



友達、と言い切れないのはエルーの話を聞いて『ハブられてる疑惑』が浮上したからだ。



「程人君、そちらの方は?」


「天界にいる天使の一人?でエリュシオンだ」


「…初めまして、エリュシオンと申します」



マキナが聞いてきて各々の自己紹介が始まる。



「中々の方達ですね…」


「ほう?お前が褒めるぐらいなのか?」



天界に住んでる奴らは人間の生命力が色で見えるんだって。



基本的に人間は緑、人間以外の動物は赤、植物は青、魔物は黄色と聞いた。



そして魔力持ちは二重の色が見えるとのこと。



魔力の量は線の太さ、質は色、だったかな?



人間は生命力の色の濃さで強さが分かるらしい。



多分…リザリーとマキナは緑の色の周りに黄色、エルーは緑の色の周りに赤、なんだろうな。



因みに俺は魔物と人間の混合だから黄緑色と言われた。



「ええ、黄色と赤が原色に近いです」


「…あいつら、俺と違って才能があるからな…」


「では、コレを…天界でお待ちしていますよ。下等生物」



エリュシオンは俺に石を渡して最後に素を出してからいなくなった。



ここで豆知識として言うと…天界や冥界、魔界に住んでる奴らは人間の外見の区別がついていない。



俺らがハトの群れを見て、みんな同じように感じるのと一緒。



だから生命力の色でしか判断できない。



猫とかも…違う種類ならまだしも、同じ種類が集まるとどれがどれだか分からないだろ?



あいつらは黒人、白人、黄色の肌の色でしか区別できねぇんじゃねえかな…多分。



俺の事は顔を覚えたみたいだけど。



「結局なんだったの?」


「女神が俺を呼んでるらしい」


「女神…?」



三人共首を傾げて考えている。



「女神って言っても結構いるからな…誰かは行って見ないと分からん」


「行けるの?天界に」


「まあ無意味にゲートを開く石をくれた」



こんなん無くても影移動で行けるのに…女神の名前を知られるのが嫌だったのか?



「めんどくせぇけど、女神達には借りもあるし…行って来るわ」


「「ちょっと待って!!」」



俺が石を使おうとしたらリザリーとマキナが凄い勢いで俺の両肩を掴んだ。



「私達も連れて行きなさい!」


「そうだよ!一人だけだなんてズルいよ!」


「…二人とも落ち着け」



エルーが一人冷静にマキナとリザリーを俺から引っぺがす。



「テイトが一人で行くって事はもしかしたら危険かもしれないぞ?」


「おう、魔界と同じぐらい危ない」


「…う、それでも…イキ…たい…」



エロい!なんか言い方がエロいんだけど!



…俺ってマジで欲求不満なのかな…?

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