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「じゃあやるわね」


「おう」



三人に説明した作戦はこうだ。



リザリーが魔獣の性質を解析する。



三人の複合魔術で召喚される予定の魔獣を全てこの世界に喚んで、魔術で滅殺。



その間、俺が無防備の三人+学生を守る。



残念ながら俺は魔獣を感知できないから経験と直勘で戦うしかない。



「うりゃ」



危ねぇ…流石に三方向から来られるとキツイな。



「あ…っ!」


「どけ、…っそい」



態勢を崩した学生を押しのけて斬る。



この魔獣達、実はなかなか強い。



学生達が一人で倒せないぐらいに。



3名で一体倒せるかな?ぐらいのレベル。



まあ俺らは大体一撃で仕留めてるけど。



ほら、年季の違いってやつ?



こいつらも俺らぐらいになったら倒せるようになるかも。



「テイト、 離れろ」


「了解」



学生を二人掴んで放り投げ、また二人掴んで放り投げる。



そして残りの二人を担いでその場から離れた。



「「「ワイズ・ロナーズ!」」」



三人が魔術を発動させると半径100mに結界が張られた。



ドーム状で中には魔獣が現れては消え、現れては消え、を繰り返している。



断末魔を上げる暇も無く消されていく魔獣達。



約10分後…結界が消え、魔獣も現れなくなった。



「お疲れさん」



ガクッと地面に膝を着くリザリーの手を掴んで立ち上がらせる。



「もう終わったと思うし、ユニオンに帰るか?」


「そうだね…もう疲れたよ」


「帰るのは明日にしましょう…今はとにかくお風呂に入って寝たいわ」



リザリーはフラフラ~とマキナの背中に抱きついた。



あはは…と笑ってそのままリザリーをおんぶする。



「じゃああの街で一泊してから明日帰還するか?」


「俺はどっちでもいいけど?」


「ちょっと程人、頑張った私を休ませなさいよ」


『確かに、主にしては珍しく頑張ったものね』



うるさい、とリザリーは剣にツッコミを入れる。



あはは!とマキナ達が笑う中、学生達も少し笑っていた。



「んじゃ、ユニオンに帰還は明日っつー事で」


「じゃ、街に行くか」


「さんせー」



おっと、俺は片付けが残ってるな…台車をプレハブに入れないと。



「俺は台車片付けるから先行っといて」


「迷子にならないでよー?」


「この一本道でなるわけねーだろ」


「程人君なら…もしかしたら」



あはははは!と今度は学生達も声を上げて笑う。



街へ歩いて行くのを見送って台車をプレハブの所に持っていく。



そしてさっきの魔獣が現れた場所に行った。



「まさか…本当にアレで終わりなのか…?」


「まさか、貴様が一人になるまで待ってたんだよ」




俺が疑問を呟いた瞬間、いきなり背後に男らしき人物な現れた。



速攻で男との距離を取り、剣に手をかける。



「久しぶりだな……この前の俺とは違うぞ?分かるか?悪魔に魂を売ったのだ、今度こそ貴様を殺すためにな!」

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