39
「あれ?」
「マキナはナターシャをベッドに連れて行ったわ」
「ああ…」
せっかく洋服を洗ったのに…テーブルの上にそのまま置いとくか?
「洗濯ありがとう」
「ああ、うん」
「早く返してくれる?」
リザリーはひったくるかのように俺の手から洗濯物を取る。
取る、と言うよりは奪う、に近いかもしれない。
「何を焦ってるんだ?」
「程人の事だからオカズにしそう」
「するか!」
「テイト…お前下着を食うのか…?」
「アホか」
こいつ時々天然だよな。下着を御菜に白米を食べるとか…噛みきれんわ!
まず下着は食べ物じゃないし、俺にはそんな鋭い牙とか生えてないし。
…部下共だったら下着どころか衣類も食べそうだな…あいつらの牙とか硬くて鋭いし雑食だから。
「ああ…そう言う意味か」
「一応言うが、一度もシた事は無いぞ」
「分からないわよ」
「俺にそんなキャラ付けすんな」
そんなキャラはただの変態じゃねえかよ。
まあ美形の幼馴染と一つ屋根の下?で過ごして何も無い、ってのも男としてどうかと思うけどさ。
「それはさて置き、もう寝ましょう」
リザリーが眠そうにアクビをしながら言った。
時刻は午前3時、もう早朝と言っても大丈夫な時間帯か。
「俺はいつも通りリビングだな」
「じゃあエルーは私達と同じ部屋ね」
「ベッドの数は足りてるのか?」
「ええ、できればドアに一番近い所がいいわね」
防犯上…と言った所か。
俺がリビングに寝るのは、その方が入口に近く不審者とかが入って来た時に対処しやすいと言う理由がある。
最初はマキナ達と同じ部屋で寝る方が守りやすいと言う事を提案されたけど…まだまだ精神的に抑えられる余裕がないので断った。
俺の理性が本能に負けてリザリー達を襲ったら困る。
襲うのが性的なのか暴力的なのかは分からないがとりあえず用心に越した事はあるまい。
「何かあったら頼む」
「任せとけい…お前も頼むぞ」
「分かってる」
「じゃあ行きましょ」
リザリーとエルーが歩いて行くのを見て研究所の電気を消す。
そして全ての鍵の戸締りを確認してリビング的な場所に戻った。
俺は夜目が利くから電気を消しても見えるんだよなー…便利便利。
さて、寝るか。
………ん……い………さ…………ん……
辺り一面暗闇の中に立つ俺。
なんだ…?夢…?
…う……呪……呪………っ…………て…やる……
何を言ってるか聞き取れねぇな。
白い霧…?いや、靄か…?
音も聞き取れない、人影も見切れない…モヤモヤするな。モヤだけに…なんつって。
……お……のせ…い…………呪………………呪……
声…か…?もうちょっとハッキリ発音してくれよ。
呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる
ああ…うん。
やっぱりハッキリ発音しなくてもいいや。
呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる
そんな連呼しなくても聞こえるっつーの。
一言一言が違う声?音?だからか余計に気持ち悪いな…
…ん…?白い靄に…色…?
赤と黒…が混じってる…?
うわぁ…嫌な赤黒さだな。
呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる呪ってやる
…なんか心なしか近づいて来てる…?
おいおい勘弁してくれよ…こんな声も色も気持ち悪いのに…
コレは生理的に無理やわー。
……ん…………い…………さ……………ん
今度は別の場所から違う声?音?…つーか幻聴?が聞こえて来たし。
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