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「まあ喋れてるし、大丈夫じゃないかな?今の所は」
「今の所は…だと!?」
「まあほっといても大丈夫だよ」
「そうは見えん!」
まあ普通なら生きてるだけでも奇跡だしな。
「時間が経てばある程度なら回復すると思う、死んだら死んだでいいんじゃん?」
「どれくらいの確率で回復する見込みだ?」
「うーん…良くて10%かな」
「ダメじゃん!」
おいおいエルーさんや、キャラが変わっているよ。
この状態じゃあ死亡確率90%でも低いと思うんだけどなー。
「次の街まで急いでも一日はかかる…どうすればいい?どうしたらお前は助かる?」
「うーん…幾つか方法はあるけど…」
「そうか、まずは血を止めないとな」
人の話聞けよ、てか奴はどうするんだよ。
「俺の事より先ずは奴の捜索だろ」
「そうだな…マナタラ、お前が指揮をして4人で奴を捜索してくれ。見つけたら奴を連れて戻ってくるんだ」
「分かった、お前ら行くぞ。」
「「「了解!」」」
補佐官と三人組はエルーに敬礼して急ぎ足で反対側へと向かって行った。
「よし…頼んだぞ…」
エルーは呟くように補佐官が向かった方向を見た。
「さて…これで人払いは完了した。あとはお前だ」
え、エルーさん…?顔がなんだか怖いんですけど…
「どうやったら助かる?俺は手段を選ばんぞ?」
顔は笑ってるのに目は据わってる…怖い怖い!
「べ、別にそこまでしなくても…」
「言えよ」
有無を言わさない雰囲気を纏った言葉…
俺はもう観念する事にした。
「はぁ…人間の血を飲めば…一応は…助かるかな…?」
「そうか」
「ま、待て!少し、少しでいいんだ!だから斬るのは指先にしとけ!」
こいつ…今自分の手首を切り落とそうとしなかったか!?
危な…あと一秒で手首を斬ってる所だった…
「これでいいのか?」
「ん、ありがと」
指先の血をありがたく?吸わせてもらう。
…この構図ヤバく無いか?
俺、男の指を咥えてるんだよな?
男が男の指を…?いかん!考えないようにしなければ。
「これだけでいいよ」
「そうか?」
これで完全に魔物化したんだが…
俺が魔物に戻るには三つの条件を満たさないといけない。
1.リミッターを外す。
(身体能力が戻る)
2.魔物の血を吸う。(自分のでもOK)
(能力が一つ使えるようになる)
3.人間の血を吸う。
(能力が完全に使えるようになる。太陽の光が弱点になる)
順番なんてのは無い。
力を戻さなくても能力は使えるし、能力が使えなくても力は戻る。
人間の血でも魔物の血でも使える能力は自分で決められる。
因みにさっきは自分の血を吸い『影を移動する能力』を使えるようにしてエルーやその他の4人、奴を移動させた。
今は完全に能力も使えるようになった。
早速『血を操る能力』で傷口を塞ぎ、今までに流れ出た血を自分の中に戻す。
「これで当分は大丈夫」
「血が…止まった?どころか、流れ出た血も全て戻った…だと?」
あー…面倒くせえ。どう説明したもんかな…
いや、ここはあえて聞かれないかもしれない。
何事も無かったかのように…
「テイト?」
「はい」
「全部説明してもらうぞ?」
肩を掴まれ、逃げられない事を悟った俺は説明する事にした。
そして説明する事20分。
面倒くさいから説明の内容は省略で。
「ふむ…影の移動で助かったのか…そして身体を元に戻すためには大量の栄養が必要…か」
「分かった?俺は一応不死身じゃないんだよ」
「だが栄養を取れば下半身は回復するんだろ?」
「最終的には、な」
「隊長!」
俺らが今後の事について話しあってると奴等が戻ってきた。
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