05


「部下のミスを見逃してはおけないし…」


「え?」


「いや、なんでもね。この地図をあげるから、この赤丸の所に避難するように」


「あ、ありがとうございます!」


「いちいち頭を下げなくていいから早く逃げて、俺も…」


「わかりました!」



女の子は避難している女性たちの所に走り去って行った。



さて、俺も移動するか。



どうやらここら一帯の男達はエサになったらしい。



逃げ惑う女性たちしか見えなくなっていた。






そして町の侵略を始める事多分四時間。



ついに町の侵略に成功したわけだが…



さっきの男が気になる事を口にしてたな。



『もうすぐで国軍の部隊が来る、そうしたらお前らは終わりだ』



とかなんとか。



あれからもう二時間近く経つが全然来ないな。



とりあえず町の掃除だ。



見回りも兼ねて掃除しないと臭いとかがキツイ。



「はーい、これから恒例のお掃除タイムでーす」



… 聞きやしねぇ。



「これから町を綺麗にする。お前らは西側、お前らは東側、お前らは北側、お前らは中央、そしてお前らは俺と南側だ」



あ、一応聞いてたのか。



俺が解散!と言うと部下達は割り当てられた場所へと向かって行った。



俺の部隊数は俺を合わせて約200弱。



一、二時間もあれば終わるだろう。



終わればどうせ中央に集まるだろうから集合はかけなくてもいいか。



俺らの掃除方法は簡単なやり方だ。



水を大量にぶちまけて排水口に血や肉片をまとめて流す。



そうすれば臭いも消えるし見た目もまあ綺麗になる。



水はそこら辺の水道だか噴水だかで調達できるし、ぶちまける方法は各自色々だ。



要は臭いと汚れが取れればそれでよし!な考え方である。



面倒くさいが仕方ない。



自分達で汚したんだから自分達で洗うしかない。



「ほら、やるぞ」



部下達に命令しながら水をぶちまける。




そんなこんなで一時間も水をぶちまけてたら大分綺麗になった。



「よし、戻るぞー」



俺は急ぎ足で中央に戻る。



理由は腹が減ったから。



早く何処かの店から食糧を調達しなければ。



中央区に戻って来た俺はとりあえず食糧の調達をした。



「やはり生肉よりは焼いた肉だな」



そこらの飲食店から漁ってきた食糧を食べながら広場に向かう。



今日中にあと一つ落とすか?



それとも一日一つでいいかな?



「おーい、どうする?次行くか?それとも明日でいいか?」



俺は部下達に聞いてみたが意見は半々だった。



どうしよう……まあいいか。明日で。



「よーし、次は明日に決定!今日はこの町に泊まるぞ!」



泊まるって言ってもまだまだ昼間だからあと12時間以上はこの町にいないといけないのか。



うーん…早まったかな?



次に行けば良かったかも。



「おいおい…なんだこの有様は!?」


「人っ子一人居やしねぇ」


「血の臭いがする」



ん?あっちの方から誰か来るぞ。




「うおっ!!なんだこの魔物の群れは!?」


「異常…」


「一旦撤退だ、合流するぞ」



ダッシュでどっかに言っちまった…



今の会話を聞く限りではあの男が言ってた奴らか?



変な三人組が現れて数分後、5人に増えて戻ってきた。



「魔物の群れ…」


「凄い数だ!」


「だが俺らならヤレる」


「なー、勝負しようぜ」



5人に増えたからか会話の内容が余裕たっぷりだな。



「グルルル…」


「グォォォ!!」


「落ち着けよお前ら」



臨戦態勢をとり、唸る部下達をなだめる俺。



面倒くさい事は勘弁だ。



俺だって余計な争いは出来るだけ避けたいからな。



「やるか!」


「「おう!」」


「いや、まて!」




走り出した三人をリーダー格の奴が止めた。



だが聞かずにこちらへ走ってくる。



凄いスピードだな…



「お前ら手をだすなよ?防御だけにしと」



後ろ向いてる俺に対して三位一体の攻撃かよ。



避けれるかっての。

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