03
女の子を助けるために魔物に向かって行く人ってそんなにいないよね。
でも後ろからか…さっきやられてる時も思ったけど、人間だったら12回は死んでるよ?
まあ人間じゃないんだけど。
「かかってこい!モンスターめ!」
ああ、つまらない。
腹に刺さってる剣を引き抜いて、その剣で目の前の男を真っ二つにしてやったんだが。
そんなに早く動いたつもりはないのに反応しきれてないし。
逃げてった男も結局は見える範囲で食べられてるし。
おっと、手が滑った。
「女の子には?」
「テ…ヲ…ダサ……ナイ」
「うんうん、手を出してたらこの掠めていった剣がそのまま脳天に突き刺さってたからね?」
「リョ……カ…イ」
「みんなにも言っておいてね」
全く、油断も隙もないな。こいつら。
あーあミリーちゃんだっけ?気絶してるよ。
「よいしょ」
とりあえずぶん投げておこう。
軽いな、流石は女の子。
まあ人に当てれば大丈夫かもしれん。
お、ちょうどあそこに人がいるじゃないか。
「せいっ」
ジャイアントスイングの要領でおばさんめがけてぶん投げる。
「うわぁ!」
どうやら違う人に当たったらしい。
ミリーちゃん?には怪我は無いみたいだ。
おばさんが担いで必死になって逃げてった。
隣のぶつけられた男は部下に襲われてエサと化したか。
うんうん、この調子だとあと二時間では制圧できそうだな。
とりあえずこの村で一泊してから次の場所へ向かうか。
さて…やっとこいつで最後か。
「ひ、ひぃぃぃ…!」
「あ、そうだ。この村の名前を聞きたいんだけど?」
「あ、アンナス村です!どうか命だけ…」
あっそ、ありがとう。
おいおい、首を刎ねたそばから食い散らかすなよ、汚ねぇな。
おっと…報告しないといけないな。
「使い魔…使い魔…いた。おーいちょっと」
「ご用件で?」
「おう『マーラス国のアンナス村を占拠。今日はここで一泊して、進撃は明日』と伝えてくれ」
「わかりました。ミューラ様宛て、でよろしいですか?」
「うーん…ダラン侵略部長宛てで」
「わかりました。では」
あー、報告めんどくせぇ…まったくこれだから上には上がりたくなかったのに。
中間管理職より下の小隊管理職なんてやってらんねぇよ。
かと言って中間管理職もなぁ…
「臭いがすっげぇ…おい、ちゃんと掃除しとけよ」
「リョ…カイ…」
よーし、飯を探して明日に備えて寝るか。
俺はこいつらと違って人間…しかも生肉は食えん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます