02
魔王様の演説?から三日後。
俺は近くの小国に来ていた。
理由は魔王の命により侵略するため。
「くそっ!なんで魔王軍が…!」
「魔獣の群れだ!女は子供を連れて避難しろ!」
「今頃になって…!」
「男は武器を持て!戦うぞ!」
正確には魔物なんだけどね。
魔獣は冥界から来てるから結構似て非なるものなんだよね。
魔物は魔界
魔獣は冥界
神獣は天界
妖怪や幽霊は…東洋限定っぽいけど、この世界。
それぞれ住む世界が違うから一緒にされたら困る。
俺は人間じゃなくなってからその事実を知ったんだが。
実際どれも人間の敵だから一括りにしてもあんまり関係ないんだけど…それは人間側からの話で。
魔物や悪魔、天使からしたら失礼な話だよね。
「この…!」
「!」
人が物思いに耽ってる時に攻撃してくるなよ。
避け来れないじゃないか。
「よし!やれる!みんな!」
「「「おう!」」」
一人に対して5人がかりとは…とりあえず魔物共には命令してるし、俺はこのままやられておくか。
「はっ!なんだこいつ!?弱いぞ!」
「魔物と思ったがただの人間か…?」
「おい…怖い事言うなよ」
「とりあえずこれでトドメだ!」
あ、やられる。
「ぐぁっ…!」
「フショ!ちくしょう!…ぐっ!」
「う、後ろから囲まれてる!」
「こいつは囮だったのか!」
あー…なんて言うかナイス。
こう簡単に引っかかってくれると俺もやられた甲斐があるよ。
ものの5分もしない内に俺を囲んでた5人は肉塊になった。
うん。やっぱり魔物や魔獣にとっては人間も食べ物だよね。
さっきまで生きてた人間が目の前で食べられてるのを見るたびに、そう思うや。
「きゃあ!!」
ん?女の子の悲鳴?
「あ…あ…いや……こないで……」
おおう、ウルフ三匹に囲まれてる。
急がなければ!
「グルゥフ!」
「ストップだ、お前達」
間一髪、だな。代わりに俺が三匹に噛まれてるけど。
「あ、あの…!」
「俺は女や子供には手を出すな、と命令したはずだが?」
「クルル…」
「言ったよな?」
「キャフ……」
全く、男だけにしておけと言っておいたのに。
部下に舐められてるのかな?俺。
「ああ…お嬢さん、部下がとんだ迷惑をおかけしました」
ったくよ、なんで俺が謝らなくちゃいけねえんだよ。
部下の不始末は上司の不始末ってか?
全く、好きで隊長なんかなったわけじゃないのに。
「え…あの…?」
「これ、地図です。赤い丸の所は攻めないのでそこに逃げるようにみんなに言って下さい」
「え…え?」
「早く」
お?ウルフ達がどっかに行ったと思ったら…俺の腹に三本の剣が刺さってる。
「ミリーちゃん!無事か!?」
「このモンスターが!」
ふぅむ、女の子を助けに来たのか。立派だな。
「俺がミリーちゃんを逃がす!少しだけ時間を稼いでくれ!」
「わかった!できるだけ早くな!」
いちいち叫ばなくても聞こえるだろうに。
自分に喝をいれてるのか?
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