『人間、辞めましたシリーズ』

八神ユーリ

第一期

01

「おい、負け犬、魔王から招集の命を受けた。今すぐ城に来い」


「りょーかい」



どもども、初めまして。



俺の名前は『遠間 程人』。



『とおま ていと』だ。



テイトなんて横文字の名前だからって西洋か欧米の人間ではないんだぜ?



俺はれっきとした東洋…しかも異国と呼ばれる島国の出身だ。



妖怪だの妖だの悪獣だの魔獣だの神獣だの…色々と不思議な事が多い島国である。



まあそれはさておき。



俺は『元』人間、『今は』魔王軍の、兵士…?になるのか?



見た目的にも分かるように、どこにでも居そうな…背景として認識されそうなただのモブキャラだ。



とりあえず魔王の下についている。



つーわけで魔王様の命には逆らえないわけで…



使い魔からの伝言を聞かないふり、と言うわけにはいかないわけだ。



急いで魔王様の住んでいる城に行かなければ。




……


………



つーワケで魔王様の下へ急いで走る事約5時間。



途中でバテてている俺を魔王軍飛空部隊で副隊長のワイバーン(名前忘れた)が迎えに来てくれた。



と言うかサボらないように強制…いや、やはり迎えに来てくれたのだろうな、うん。



城に着くと庭?には兵士…と言うか魔王軍管轄の魔物がもの凄いいた。



全体の数にしておよそ600万はいるだろう。



人間のおよそ1/1000である。



大小様々な大きさだが、強さは一般な人間の0.4~20倍の強さを持っている。



…当然人間の子どもでも倒せそうな程弱い奴も存在するわけで…



どうやら俺は最後から6番目だったらしい。



ちなみに最後から5番目が俺を連行…もとい連れてきてくれたワイバーンさん。



…申し訳ないです。



俺が庭?の一番離れた隅っこで、城壁を背に小さくなりながら座っていると門が閉まった。



全員?全体?揃ったみたいだ。



門が閉まって5分後。



魔王軍を率いる一番上のトップ、魔王様が城の一番上の方に現れたらしい。




俺の方からは遠過ぎて全く見えないが魔物達の騒ぎ方からして多分、出てきたんだろう。



城しか見えねぇ…つーかみんな盛り上がってるなぁ…



『皆の共、よくぞ集まってくれた』



城全体に響くような声。



流石、城の四隅にスピーカーらしき物を設置してると聞き取りやすいな。



みんなが一気に静かになったというのもあるか。



『これより人間共と戦争を始める』



え?なんて?え、なんでみんなそんなに盛り上がってるの?



人間と戦争?そんな事したら冥界から悪魔達が襲ってきて大惨事になるぞ?



今までは人間、魔物、悪魔、の三竦みだったからこそ戦争は起こらなかったのに!



それに、冥界から悪魔達が来たら聖界…ん?天界だったっけ?まあいいや。



ともかく天使vs魔物vs人間vs悪魔の総界戦争に発展するぞ!?



『人間共に遅れをとるな!』



グォオオォオ!!!




うわ!魔物共の叫び声がすげえ!耳押さえても鼓膜が破れそうだ…!



ようやく魔物共の叫び声が収まった頃、門が開いた。



続々と門を抜けて出て行く魔物達。



本当にこれから人間との戦争が始まるんだろうか?



はぁ…考えても仕方がない。



魔王が戦争する、と言った以上俺は逆らえない。



元同族の人間との争い…それも大規模な戦争…




……


………


…………


……………




…まあなるようになるさ!切り替えていこう!

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