第2話

 蘭と咲が示し合わせたように定食を食べ終わり、私は完食していなかったけれど、そのまま彼女達に手を引かれて食堂を後にした。

「あの人達に何も言わないで出てきちゃって、よかったの?」

 私が戸惑いがちにそう言うと、咲と蘭は同時に「いいの、いいの」と手を振って、「ねえ」と顔を見合わせた。

「あいつら、入学した頃からずっと加奈子のこと狙っているんだよ。どうせ胸目当てなんだろうけど」

 私は顔を真っ赤にして、「蘭ちゃん、そんな大きな声で言わないでよ」と彼女の袖をつかんで言った。

「さっさと教室行きましょ。加奈子、次授業取ってたわよね?」

 咲の言葉に私は目を伏せ、「ちょっと用があるの」と言った。

「あの真面目な加奈子が、授業を休むなんて」

 蘭がそう言って目を丸くする。私は「あまり興味がない授業は切り捨てようかと思って」と小さな声で言った。彼女達は「確かに授業眠いよね」「それもそうだ」とうなずいた。

「私、図書館に寄ってくるから、四限でね」

 私がそう言って歩き出すと、「読書に夢中になって、授業忘れるなよ!」と蘭が手を振って送り出した。私は笑ってうなずき、そのまま図書館へと向かっていった。

 真夏の日差しが額へと照り付けてきて、温い汗が首筋を伝い落ちていった。空気に触れた汗は冷たくて、背筋を震わせてくるようでもあった。

 そうした中、激しい罪悪感に襲われ、立ち止まりそうになる。それでも私はその場所に向かわないといけなかった。本棚の前を通り過ぎ、自習スペースまで来ると、そうして窓際の席へと振り返った。

 そこに座っている一人の女性は、頭の後ろで髪を結わえており、薄く茶色に染められた房が日差しにきらきらと輝いて溶けてしまいそうだ。ワンピースから華奢な肩が覗いており、うなじのラインがどこか艶かしい。

 何より、彼女は清純な印象を否応なしに与えてくる。私はそのまま棚の前に立ち尽くして、食い入るように彼女の姿を見つめていた。

 そのまま硬直していると、彼女がふと振り返った。視線が絡み合い、どんな言葉も出てこなくなる。

 野木坂香奈さんは目を見開いて私を見つめ、ふっと笑顔を浮かべ、「長谷川先輩!」と椅子から立ち上がった。そうしてすぐに近づいてきた。私も彼女に歩み寄り、「久しぶりね」と微笑んだ。

 四肢が震えて、今にもその場に崩れ落ちてしまいそうになる。香奈さんはそんな私の様子には気付いていないようで、「どうしてすぐに声をかけてくれなかったんですか?」と少し拗ねたような顔つきになった。

「集中しているようだったから、邪魔するのも悪い気がしてね」

 すると、彼女は「勉強なんかより、長谷川先輩と話す方が一億倍楽しいですよ」と言った。

「そうかしら。私と油を売っているより、勉強した方が一兆倍為になるわ」

「いいから、今日こそお茶に付き合ってくださいよ。長谷川先輩ともっと話したくて」

 そう言って縋り付いてくる香奈さんに対して、私は苦笑して「ごめんね」とつぶやく。そうした中、全身が悪寒で震えてくる。それでも私はそれを言わないといけなかった。

「今日、これから調べ物をしないといけないの。また、今度ね」

 すると、香奈さんはうなだれてしまった。私はそのまま会話を打ち切り、「じゃあね」と手を振ってその場を後にした。

 背中から「また逃げられちゃったな」と囁き声が聞こえてきた。それでも私は足を止めることはできなかった。彼女への想いが膨らんでいくようで、身を切られるような感覚を抱いてしまう。

 ようやく棚が並ぶ場所までやってきて、私はそっとそこに背をよりかからせて、溜息を吐いた。

 彼女の姿を見ることができた――それだけで、満足だったはずなのに。私には彼女と時間を共にする資格なんてないのだ。そのまま震える指先で本を選び始めた。本の世界に浸っていないと、心が擦り切れて感情が溢れ出しそうだったから。

 そうして私は無数の作品の中から、その一冊の本を見出した。私は棚へとそっと手を伸ばし、その真っ白な装丁の本を取り出す。そして表紙を見て、市販の本ではないことに驚いた。

 厚紙で覆っただけの表紙で、題名・著者名、いずれも記されていなかった。私はそっとページを捲り、ワープロで印刷されたその文章を読み出した。

 その瞬間に、鼓動が高鳴り出す。

 最初の数行を読んだ瞬間に、胸を打たれた。一文一文が宝石のように輝いていて、描写のすべてが光っている。

 私はそうして立ち尽くしたまま、ページを捲り続けた。時計の針が二度同じ地点に来るまで、本にかじりついて読み続けていた。最後の一文を読み終えた瞬間に、涙が溢れ出した。

 この本は、作者の心からの願いで満ちている。一字一句、想いが込められていないものはない。本そのものに作者の願いが根付いているのだ。

 私は泣き続け、仕舞いには司書の女性が私を見つけてぎょっとした顔を浮かべ、どうしたの、と尋ねられても、私は本を抱きしめるだけで何も言えなかった。

 司書の女性は「この本が棚に入っていたの?」と戸惑った表情を浮かべた。そうして私から受け取って読み始めると、彼女は息を呑んだ。

「どうしてこんな本が……」

 彼女はそう言いいつも、文章から目を離さずに、次々とページを捲っていく。私は涙を拭いながら、それまでの罪悪感や切なさが暖かい感情へと変化していくのを感じていた。

 この本は、私を救ってくれた。途方もなくつらい日常を、優しい調べに変えてくれたのだ。そんな陳腐な言葉さえも、胸に暖かく染みこんでいく。


 司書の女性は、「持っていっていいわよ」と笑ってみせた。

「内容は別にいかがわしい訳じゃないし、きっと誰かが読んで欲しいから置いていったのね」

「やっぱり作者が誰か、わかりませんか?」

 私がまだぐずついている声でそう言うと、司書の女性は困った顔をした。

「こっそり置かれていた本だからね。ちょっとそれはわからないな」

「これだけの小説を書けるのは、やっぱりプロの小説家ですか?」

 私の言葉に、司書の女性はうなずいた。

「そうね。学生の小説家かもしれないわね」

 そう言って、「また本を読みに来てね」と言って彼女はそのまま業務に戻っていった。

 私は本を抱えながら、図書館を出た。ちょうど携帯が鳴り出したところだった。画面を見ると、咲からだった。私は目尻の涙を拭い、そっと足先を校舎へと向けた。

 この作品に出会えて、どこか吹っ切れたような気がしていた。あれほど胸を覆い尽くしていた負の感情が抜け落ちて、清々しい気分が湧いてくる。

 私はもう一度本をぎゅっと握り締め、歩調もどこか弾むようになるのを感じた。


 そうしてその作者が誰なのか、わからないままに私は何度も本を読み続け、思いを馳せた。

 そんな中、クラスの飲み会に参加していても、うわの空だった。

 咲と蘭はしばらく私の様子を窺がっているようだったけれど、仕舞いには「大丈夫なの?」と私に声をかけてくる。

「ちょっと気になることがあってね。別に具合が悪い訳じゃないから、気にしないで」

 私がそう言うと、登美子さんが「加奈子ちゃん、ノリ悪いわね」と言い、私はそっと振り向いた。

「飲み会で考え事なんてしてたら、いつまで経っても悩みは解決できないわよ。ほら、ジャンジャン飲んじゃって」

 そう言って瓶を私のグラスへ傾けてくる登美子さんに、私は「そんなにいらないですって!」と慌ててその手を押さえつけようとする。

「飲まないとやっていられないことがあるんでしょ? それならさ、今ここで全部吐き出しちゃうのはどう? 私が聞いてあげるからさ」

 登美子さんはセミロングの髪をかき上げ、「親友達も心配してるだろうしさ」と咲と蘭を見遣る。咲は「まあ、そういうことだから、話してみなさいよ」とこちらに体を向けてきた。

「男に関することだったら、私達抜きでは解決できないわね」

 蘭はそう言って自信満々に微笑んだ。私は彼女達を見て息を吐き、言った。

「そうじゃないのよ。ただある本が気になっていてね」

 すると、あからさまに三人が呆れた表情を浮かべた。「また、本か」と蘭がつぶやく。

「加奈子ちゃんが本を何よりも愛しているってことは知ってるけどさ、今にも死にそうな顔をするほどのことなの?」

 登美子さんがそう言うと、蘭と咲も深くうなずいた。私は彼女達を見やって、「確かにその通りですね」と言った。

「趣味は楽しむものでなくちゃいけない。それが苦しくて、つらいことになってしまったらもう趣味とは言わないから。でも、これだけは私の人生の一部だから」

 そう言って私は登美子さんをまっすぐ見つめて言った。

「だから、私はこの世界が好きなんです。誰にも理解できないかもしれないけど、これが私の生き方だから」

 そう言うと、登美子さんは寂しそうな顔をする。

「加奈子もさ、何もそんなに深く考えなくてもいいんじゃないの?」

 蘭が思い詰めた顔でそう言った。それでも、私は俯いて「だけど……」とつぶやいた。すると、

「そんなに、気になっている本があるの?」

 咲が優しく囁きかけてきた。私の髪にそっと手を触れ、そうしてすぐにくしゃくしゃとかき混ぜ始める。

「話してごらん。加奈子の問題なら、私達も一緒に考えるから。なんでも、遠慮なく言って」

 私は思わず声を詰まらせそうになったけれど、一つうなずいてその本のことを語り始めた。

 三人は真剣な表情で聞いていたけれど、ふと登美子さんが「それってもしかして」とつぶやいた。

「あれかな、白い装丁の本? 誰が書いたかわからないやつでしょ?」

 私はその瞬間に登美子さんの腕をつかんでしまう。知っているの?

「結構学生の間では有名だよ。最初の頃は五冊ぐらい置いてあって、回し読みされていたみたいだけど、ネットでも結構話題にされていたと思うよ」

 私はしばらく口を噤んでしまう。「それ、本当なの?」と蘭が言った。

「今は、色んなところへ出回って、残ってないみたいだけどさ、加奈子ちゃんのは一冊目だろうね。私が探してきてあげよっか?」

 私は身を乗り出してその腕をつかんでしまう。本当に、あの作品に続編があったなんて。

「お願いします」

 私がそう言うと、登美子さんはどこか顔を紅潮させて、「わかったわよ」と手を振った。

「とりあえず、他の子に当たってみるから。全巻揃えられるかはわからないけど」

 その時、唐突に「面白いな」と声が聞こえてきて、私達は振り返った。近くの席で静かにビールを飲んでいた清水さんが、骨ばった顎に手を当てて、こちらを見つめていた。

「学生の間で話題になっている小説か……それを文化祭で上演したら、盛況だろうな。ぜひとも我が演劇サークルで使ってみたいものだ」

 そう言って彼は座敷の上を半回転し、真正面に向き直った。

「是非、俺にも読ませてくれ。どんなものか、一度拝見してみたい」


 *


 その小説が、演劇サークルの舞台で上演されることが決まったのは、飲み会から三日後のことだった。既に手元には四冊の本が揃えられ、それを元に脚本が作られた。

 しかし、最後の一冊だけがどうしても見つからなかった。その為、脚本も区切りの悪いところで終わることになってしまった。

 打ち合わせの際は、いつもその問題が話題になった。

「この際、読者の記憶を元に、シナリオを作るのはどうだろう?」

 サークルの部長を務める島崎さんが、眼鏡のフレームを指で押し上げながら、周囲を見渡して言った。すると、そこかしこで唸るような叫びが上がった。

「でもそれって、原作に忠実じゃないってことだよね。ある程度脚色しちゃうってことだし……あの破格のストーリーをそのまま再現できないっていうのは、残念だな」

 清水君が、丸めた脚本をテーブルにぽんぽん打ち付けながら悔しそうに言った。それもそうだよな、と他からも声が上がる。

「だったらこの際、観客の想像力に任せて、四巻のラストで終わらせてもいいんじゃないですか?」

 ふと女子部員が手を上げて、そんなに深く考えなくてもいけるんじゃないですか、と言った。

 四巻のラストは、主人公とヒロインが別れてしまう場面で終わっていた。しかし五巻で彼らは再会することになっている……つまり、四巻までを上演すると、どうしても後味が悪くなってしまうのだ。

「だったらもう、上演までに五巻を必死になって探すしかないだろうな。それでも駄目だったら、覚悟を決めるしかないだろう」

 部長の言葉に、他の皆が顔を見合わせて、「やっぱり探すしかないか」と若干気だるげな声を出した。

 部外者である私は、ただ部員達の困惑そうな表情を見つめるだけだった。最後の一巻を見つけたかったのだ。何より読んでみたいし、みんなの情熱を無駄にはしたくなかった。

 私にできることは、何かないのかな……そんなことを思っていた。


 そうして打ち合わせが終わり、部室から出ると、清水さんが「お疲れ」と言ってきた。

「わざわざ部外者である君を頼ったりして、悪かったね」

「いえ……私は何もしてませんし、意見も言えずに」

 すると、清水さんはくすりと笑い、「本当にあの作品に魅入られているんだね」とつぶやいた。

「僕も正直興奮しているんだ。あの傑作を僕らの力だけで上演しようとしている。今年の夏は最高なものになりそうだよ」

 私もうなずき、「また何かあったら、声をかけてくださいね」と言って別れた。

 全員があの作品に惹かれているのだ。それだけあの作品には、人を惹きつける魅力がある。私はその感動を、どうしても人々に伝えてあげたかった。

 そのままコンビニへ行くと、咲と蘭が既に待っていて、「お疲れ」と手を振ってきた。

「どうだった?」

 蘭が言うと、私は首を振って「まだ見つかってないんだ」と沈んだ声を出してしまう。すると彼女は、「まだ誰かが持っているのかしらね」と歩き出した。

「あれだけの作品だから、処分されてるってことはないと思うんだけど。誰かが手放したくなくて、こっそり持っているのかも」

 蘭が言うと、咲が「そうそう、それだよ」とうなずく。

 五巻の所在も気になっていたけれど、さらに私の心を縛っていたのは、一度作者と会って話してみたい、ということだった。

 その人に、「ありがとう」と言いたかった。こんな素敵な作品を書いてくれてありがとう――一言でもいいから、その言葉をかけてあげたかった。

 その時ふと、「あ」と蘭が視線を横へと向けた。その方向を見ると、一人の女性が歩いているのが目についた。結えた髪がひらひらとなびいている。

 周囲の男子学生も彼女をちらちら見ている。すると、蘭が「出たわ、噂の美人……」と言った。

 咲もうなずいて、「あの足の細さ、見てよ」と太ももの辺りを凝視している。

 その女性は他でもなく、野木坂香奈さんだった。図書館に向かって歩いている。その背中を見つめた瞬間、胸が締め付けられるような心地がした。香奈さん、と声を出しそうになる。

 彼女はそのまま図書館へ入っていった。咲と蘭は、「すごいね、あの子」「オーラが違う」とうなずき合った。

「でもあの人、男フリまくっているって噂だよ。高嶺の花ってやつだね」

 蘭が何気なくつぶやいたその言葉が、私の心臓を滅多刺しにした。

「誰か、好きな人でもいるのかねえ」

 その瞬間、私は地面を蹴って歩き出していた。二人が「ちょっと」と声をかけてきたけれど、私は振り返らずに、「次の授業、行けないから」とつぶやいて、そのまま早足で歩き続けた。

 図書館へと入り、本棚の間を抜けて、自習スペースまで来る。ちょうど、香奈さんが席につくところだった。

 彼女は私に気付き、「あれ」とびっくりした顔をする。そこでようやく私は自分の行動に気付き、混乱する。「もしかして、会いに来てくれたんですか?」と、彼女のその言葉に我に返った。

「……そうかもしれない。図書館に来る用事があったから、あなたの顔を見ておこうかと思って」

 そう言うと、香奈さんは顔を綻ばせ、「今日こそ、お茶でもいかがですか?」と言った。私は思わず視線を逸らして「私は……」と言葉を濁す。

 そのまま歩き出そうとした時、香奈さんが私の手を握った。手首が激しく締め付けられて、私は苦悶の声を漏らす。

「お願いです。今日ぐらい、一緒に付き合ってください」

 その瞳は本当に切実で、私はその目から視線を逸らせなくなった。そこでそっと手の力が緩んだので、私は「わかったわ」と小さくつぶやいた。すると、香奈さんは顔を輝かせた。

「学内カフェに行きましょう。奢りますよ」

 香奈さんは私の手を握り、歩き出した。


 私達は隅の席に座って、しばらく珈琲を飲みながらたわいのない話をした。私の心臓は暴れ回るように鼓動を刻み、握り締めた拳は汗だくだった。

 香奈さんは本当に楽しそうに話していた。その表情を見ていると、私の心はきりきりと締め付けられる。そうして私は彼女の話を聞きながら、ぽつりとつぶやいた。

「香奈さんは、誰ともお付き合いしてないって本当なの?」

 気付けば、その言葉が口を衝いていた。すると、香奈さんは視線を落として、押し黙った。

 重苦しい沈黙が過ぎった。やがて彼女はどこかぎこちない笑みを浮かべて言った。

「私には、待っている人がいるんです」

 その言葉が、私の心を奥深くまで突き刺した。

「その人が帰ってくるまで、私の心は変わったりしません。……絶対に」

 そうして彼女は私の手を握ってきた。

「長谷川先輩を見てると、何故か彼を思い出すんです」

 その途端、私は彼女の肩を突き放していた。香奈さんが目を見開き、私は肩で息をしながら歪んだ笑顔を浮かべ、「そろそろ行かなくちゃいけないわ」とすぐに席を立った。

 香奈さんはしばらく私の顔を見つめていたけれど、やがてうなずき、「わかりました」とどこか沈んだ声で言った。

 私達はそうして入り口の前で別れた。彼女に背を向けて歩き出しながら、ずっと視線が背中に刺さっていることに気付いていた。それでも、振り返ることはできなかった。

 何故なら、私は――。

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