欠落パラダイム

作者 七津 十七

8

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★★★ Excellent!!!

最終話まで読んだ私はいま、パソコンの前で顎に手を当てながらなんか色々考えてる風にこのレビューを書いています。
……あ、いや、実際考えてはいるんですが、なんだろう……この気持ちをどうお伝えすればいいのでしょうか。

誰もが「幸せ」に生きる白い街で、どこか欠けた人々が繰り返す日常。
それは決して、一般的には「幸せ」とは言えない毎日でしょう。しかし、彼らにとっては確かに「幸せ」で、そしてやっぱり「幸せではない」のです。

この作品は、最後まで読んでもすべてが明かされるわけではありません。そして劇的な、決定的な何かがあるわけでもありません(盛り上がりがないとかそういうわけでは決してなく)。
しかし静かに、確かに読者の心に何かを残していきます。時に重く、時にやわらかく。
それはまさしく、彼らの感じる「幸せ」なのかもしれません。

幻想的でやわらかな筆致で綴られる、夢の中のどうしようもない現実。
ぜひ、味わってみてください。

★★★ Excellent!!!

この素敵な物語の最初のレビュワーになれるとは、信じられない幸運です。

「一片の穢れなく」「みんな幸せに」暮らす白い町。幻想的な世界で、それぞれ独特の雰囲気を纏った登場人物が丁寧に描かれています。
この幾つもの断片がどのように収束していくのか楽しみでなりません。

滑らかな文体ゆえ、物語も人物像もするすると頭に入ってきます。

幻想的な世界観と退廃的な美しさを愛する人にはぜひオススメしたい物語です。