犯罪防止のため、いつでもどこでも自分を見守ってくれる「隣人さん」が義務付けられた、一億総隣人さん社会になった日本。
しかし、そこにあった大きなデメリット、取り返しのつかないものを知ってしまった主人公は、敢えてその仕組みを利用して……。
「顔」も「名前」も知らない誰かが常に隣にいる、確かにそんな監視社会のような構図が出来上がっていれば、これまで起きていた形の犯罪は減るかもしれません。ですが、「犯罪者」のアイデアは尽きないもの。予想だにしない形で、忍び込んでいるかもしれません。
独特の世界観から始まる起承転結、そして最後に待つぞっとするオチまで一気に楽しめる、珠玉の短編作品です。