第15話

入学式までの二日間、学校の準備を早々に終わらせ、ただごろごろしていた。

この二日間驚くほどに何もする気が起きなかった。ゲームも読書も。そして彼女たちの事を考えることも。

しかし考えたところで何になると言われればそれまでだが。ただ藍の願いを断ったにも関わらず行動を起こさなければという焦燥感が俺を苛む。

今もただソファに座り込みテレビから流れるキャスターの声を右から左へながしているだけだ。

自ら進んでニュースや報道番組を見るような人間ではないがそれでもそれを観ているとは言えないが、眺めているのは自分よりも知識があり経験があるコメンテーターなら俺の抱えている問題の答えを言ってくれるのではないかと思っているのだろう。いやそれも結局は幻想に縋っているだけなのかもしれない。

誰かが答えを教えてくれると甘えてるだけかもしれない。

それらを断ち切るように俺は勢いよくテレビの電源を切った。

リビングには人の気配がなく再び静けさが戻る。

この場には俺以外ただの一人もいない。

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