第3話

一週間が経ち手術日となった。

受験の合格発表は母親に見て来てもらい、

結果は見事合格していた。

だが今は今日の事に集中しよう。

まず手術するにあたり、左腕に麻酔をした。

通常よりも一回り太い針で注射された。

すごく痛かった。痛すぎて少し泣いてたと思う。

そして一、二時間経って麻酔が効いてから

手術室へと向かった。

先に言ってしまうと手術中に寝ていたためか、すぐに終わってしまったように感じられた。想像以上に大した事なかったと思う。

ただ、手術台に自分の血が付いていたのを

見てゾッとした。

現実の血は妙に気持ちが悪いのなんでだろうな。ニ次元のグロい映像とかは何とも思わないけど、テレビで放送される手術中の映像

とかほんと無理。

まぁとりあえず、経過が順調なら一週間で退院出来る。

こんな窮屈な入院生活ともおさらばだ!

退院しても週一で診察に来なきゃいけないけどな。






退院日までの一週間。

特に変化なく平穏無事な生活を送っている。

母親も二日に一度見舞いに来てくれる。

病院食も思ったよりも美味しいし、

美人な看護師さんがたまに来てくれる。

てか、見舞いには毎日来てくれよ。

退院するにあたり、午前中には母親が迎えに来てくれるそうだが、なぜだかとても忙しそうだった。

仕事なのか家の事なのか分からないが

俺が入院してる事で負担になってるのなら、

申し訳ない。

とりあえず、お世話になった本と全く役に立たなかったvitaをまとめとこう。

身の周りの物を片付けていると

ノックの音がした。

「はい。どうぞ」

「茜。元気?」

母親が迎えに来た。

「まあ、とりあえずは」

「そう。じゃあ荷物まとめて先生に

挨拶するよ」

「ああ」

俺は二度と来ないであろう病室に別れを

告げドアを開けた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る