随筆二十八:神経質過ぎやしませんか?

心桜「こんちわー! つっちゃー居る?」

七夏「はーい☆ ここちゃー、いらっしゃいです☆」

心桜「ん? なんか今日は妙にご機嫌だねー」

七夏「くすっ☆ これです☆」

心桜「おー! お手紙か!」

七夏「はい☆」

心桜「早速、読んでみる?」

七夏「えっと、もうすぐ笹夜先輩もいらっしゃるので☆」

笹夜「ごめんください♪」

心桜「うわさをすれば! こんちわー! 笹夜先輩!」

七夏「笹夜先輩☆ いらっしゃいです☆」

笹夜「こんにちわ♪ 心桜さん、七夏ちゃん♪」

七夏「今日は、お便りが届いてます☆」

笹夜「まあ♪」

七夏「早速、読んでみますね☆」

心桜「んー・・・」

七夏「? どしたの? ここちゃー?」

心桜「なんかさ、お手紙を読む前から、内容が何となく見えたような気がしてさ」

七夏「え?」

笹夜「それは、どういう事かしら?」

心桜「いや、なんでもないっ! つっちゃーお願いっ!」

七夏「はい☆ えっと、ペンネーム、サクラサク小判さん☆」

心桜「桜咲く小判?」

七夏「小判以外は全部片仮名です☆」

笹夜「そのような昔話があったような気がします♪」

心桜「ホレ惚れワンワン?」

笹夜「そんなタイトルだったかしら?」

七夏「ここちゃ」

心桜「ここ惚れワンワンか!?」

笹夜「『惚れ』が違うような気がしますけど」

心桜「なんで違うって分かるんですか!?」

笹夜「なんとなくです♪ まあ、それよりも七夏ちゃん、続きをお願いします♪」

七夏「はい☆ えっと、『ココナッツさん、こんにちは。私には息子がいますけど、ちょっと神経質な所があって、困ってます。例えば家に帰ってきて手を洗うのは良いのですけど、かなり長い時間手を洗っていて、泡石鹸のボトルもすぐに空っぽになってしまいます。ドアノブもちり紙を使ったりしますし、本人に聞くとエスカレーターや電車の吊革を持つのも嫌みたいで・・・どうすれば改善されると思いますか?』・・・です。どうすればいいのかな?」

心桜「んー神経質と言うよりも潔癖症ってやつかなぁ・・・何がきっかけだったんだろうね?」

笹夜「手を触れる事ができない・・・お気持ちは分かります」

心桜「え!? あ! でも、笹夜先輩の場合は、また違う訳ですから!」

笹夜「すみません」

七夏「笹夜先輩☆」

笹夜「なっ七夏ちゃん!?」

心桜「お! んじゃ! あたしも!」

笹夜「こ、心桜さんまで・・・。ありがとう、こうして二人に手を添えてもらうと、とっても心地良いです♪」

七夏「くすっ☆」

心桜「あっ! もしかすると!」

七夏「え!?」

心桜「これ! 今、みんなで手を繋いでるよね?」

笹夜「はい♪」

心桜「こういう事で、克服できるかもしれないよね?」

七夏「! なるほど☆」

笹夜「確かに♪ でも、その為には、潔癖症のお方が好意を寄せるお方の存在が必要になります」

心桜「っそ! つまり、潔癖症克服の為には『恋』をする必要があるって事だね!」

七夏「恋・・・・・」

心桜「恋よ来いっ! こいこいっ!」

笹夜「心桜さん、その手つきは!?」

心桜「花札・・・こいこいしませんか?」

七夏「ここちゃー! もう・・・」

心桜「あ、つっちゃーが牛になった!」

七夏「もう! そうではなくて!」

心桜「妄想までする牛だったか!」

笹夜「心桜さんっ!」

心桜「わわっ! スミマセン!」

七夏「まあ、いいですけど。ここちゃー、恋で潔癖症が治るの?」

心桜「たぶん」

笹夜「どういうことかしら?」

心桜「恋をすると、その人と、こうして手を繋ぎたくなるよね?」

七夏「はい☆」

心桜「それってさ。他人と手を繋いでいるって事だよね?」

笹夜「ええ♪」

心桜「もう、その時点で、ほぼ潔癖症克服にならない?」

七夏「でも、苦手な人の手までは・・・」

心桜「それは、潔癖症に関係なくじゃない?」

笹夜「なるほど♪ 心桜さんが思うのは、無差別に拒否をしていた事に対しては、克服できているという事かしら?」

心桜「そうそう! まさにそれです!」

笹夜「思い人に優しく手を差し伸べられると、惹き寄せられますよね♪」

七夏「はい☆」

心桜「少しずつ・・・例えば好きな人の使っている物を貸してもらって、慣れてゆくといいんじゃないかな?」

笹夜「使っている物?」

心桜「っそ! 例えば、鉛筆とか傘とか」

七夏「なるほど☆」

心桜「いやー、潔癖症だと、ゲームのコントローラーを一緒に使えないから困るよね?」

笹夜「真っ先に困るのが、ゲームのコントローラーなのかしら?」

心桜「マイコンが必要になるから、高くつくよね!」

七夏「まいこん? 冷蔵庫?」

心桜「なんで、冷蔵庫が出てくるの? マイ・コントローラー! 私専用コントローラー!」

七夏「えっと、冷蔵庫の説明書に『まいこん』が入っているから、温度調整が自動で・・・みたいな事が載ってました☆」

心桜「あ・・・そのマイコンね・・・意外なのが舞い込んできたよ!」

笹夜「七夏ちゃんのは『マイクロ・コンピューター』の事かしら?」

心桜「そだねっ!」

七夏「まいくろこんぴゅーたー・・・はい☆」

心桜「・・・って、事で、ココナッツ的、結論は---」


七夏「恋を見つけましょう☆」

心桜「恋々で勝負だ!」

笹夜「恋をすることかしら?」


心桜「あー、もう分かってたけどさ。こうなるの」

七夏「ごめんなさい」

笹夜「さすがにリハーサル無しでは、難しいと思います」

心桜「でもさ、言いたい事は共通してるから!」

七夏「はい☆」

笹夜「ええ♪」

心桜「んじゃ、これからも恋するつっちゃーが頑張る『翠碧色の虹』本編はこちら!」

心桜「http://nanatsuiro.my.coocan.jp/nnt_frma_a.htm」

七夏「こ、恋・・・・・」

心桜「あたしたち『ココナッツ』宛ての、お手紙はこちら!」

心桜「http://nanatsuiro.my.coocan.jp/nnt_suiheki_novel.htm#QUESTIONNAIRE」

笹夜「七夏ちゃん♪ 頑張って♪」

七夏「は、はい☆」

心桜「んー・・・」

七夏「? どしたの? ここちゃー?」

心桜「よくよく考えたら、本当に潔癖症かどうか分かる方法があるよね?」

七夏「え!?」

笹夜「その方法は!?」

心桜「今回は、CM無しで進めるけど、潔癖症の人に『お金をあげる』と話して、お札を差し出した時に、受け取るのを躊躇ったら本物の潔癖症だと認めるよ」

笹夜「なるほど♪ 確かに、お札は色々な人の手に渡りますからね♪」

七夏「ここちゃー、凄いです!」

心桜「題して『おさつ、どきっ』!!!」

笹夜「まあ♪」

心桜「なんか、食べたくなってくるね!」

七夏「くすっ☆ あ、私、お飲み物を持ってまいりますね☆」

心桜「ありがと、つっちゃー!」

笹夜「七夏ちゃん♪ ありがとう♪」

七夏「あ、その前に大切な事☆」

心桜「大切な事?」

笹夜「心桜さん♪」

七夏「はい☆ えっと、おたより---」

七夏&心桜&笹夜「ありがとうございました☆!♪」


随筆二十八 完


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随筆二十八をお読みくださり、ありがとうございました!

本編の方も鋭意制作中ですので、どうぞよろしくお願い申しあげます!

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