随筆十一:バレンタインに想いを込めて!?

笹夜「七夏ちゃん♪ こんにちは♪」

心桜「つっちゃー! こんちはっ!」

七夏「笹夜先輩、ここちゃー☆ いらっしゃいです☆」

心桜「今日もこれが届いてるよ!」

七夏「わあ☆ お手紙ありがとうございます☆」

心桜「・・・という事で、はい! 笹夜先輩っ!」

笹夜「え!? 私!?」

心桜「そうです! 今回は最初からいらっしゃってくれる笹夜先輩にこのありがたいお手紙を託します!」

笹夜「お手紙を読めばいいのかしら?」

心桜「はい! お願いします!」

七夏「私、お飲み物を用意しますね☆」

心桜「ありがと! つっちゃー!」

笹夜「七夏ちゃん、ありがとうございます♪」


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


心桜「ん? 笹夜先輩、どうかされました?」

笹夜「一度、リハーサルを行っておいたほうが良いのかしら?」

心桜「いやいや、直接で大丈夫です!」

七夏「笹夜先輩☆ お願いします☆」

笹夜「ええ。では『ペンネーム、ちょコミックスさん? 七夏さん、心桜さん、笹夜さん、こんにちは、私にはちょっと気になる人が居て、もうすぐバレンタインデーですから思いきってチョコレートを渡そうかなって考えてます。だけど、その人は他の女の子からも人気があって、「お友達とチョコレートをいくつもらえるか勝負」みたいな話をされていました。もし、私がチョコレートを渡したら、その勝負の数の一つになってしまうだけになるような気がして・・・それでも、気持ちを伝えるべきでしょうか?』・・・まあ!」

心桜「んー、異世界ではバレンタインの季節か・・・」

七夏「異世界!?」

心桜「あ、いや、ま、居るよね・・・そういう男の人」

笹夜「心桜さんは、どう思われますか?」

心桜「あたしは、まあ別に構わないけど!」

笹夜「まあ!」

心桜「だって、そんな事を言う人、あたしにとっては『どうでもいい人』だから!」

七夏「こ、ここちゃー!」

心桜「まあ、せいぜい義理チョコで十分じゃない!?」

笹夜「義理・・・って」

心桜「ひとつ、大切な事、言っておくよ!」

七夏「大切な事?」

心桜「っそ! 義理チョコがいくら寄って集っても、本命チョコ1個に敵わないからね!」

笹夜「それは・・・そうですけど」

七夏「でも、お手紙の人は本命かも?」

心桜「そう? 本命なら、渡すのを迷わないと思うけど?」

笹夜「気持ちを伝えたいのですけど、その気持ちが相手の心にしっかりと届くかどうかが分からないから、迷われているように思えますね」

心桜「なるほどね~」

七夏「えっと、どうすればいいのかな?」

心桜「渡さない!」

七夏「え!?」

心桜「渡すのを迷っている不安定な気持ちで、渡しても、相手の心には届かないと思う!」

笹夜「まあ! 心桜さん! なかなかしっかりとしたご意見ですね♪」

七夏「まずは、自分の気持ちをしっかりと持ってから・・・という事かな?」

笹夜「そうですね♪」

心桜「それにしても、男ってさぁ・・・なんでそうなんだろうね?」

七夏「え!?」

心桜「まあ、今回、あたしは渡さないで揺るがないけど、つっちゃーと笹夜先輩は?」

七夏「えっと、私もここちゃーと同じかな☆」

笹夜「私は、気持ちがしっかりと持てたら渡す。持てなければ渡さない・・・かしら?」

心桜「・・・という事で『チョコを渡せない気持ちを伝える』という事でいい?」

七夏「渡せない気持ち?」

心桜「そう! 『想いを込めて渡したチョコレートが、渡した人の勝負ステータスの一部にだけなるのは切ないから、チョコレートは渡せない』という気持ちを伝える!」

笹夜「なるほど♪」

心桜「何もチョコレートに頼らなくても、自分の気持ちをしっかりと伝えられる事が大切なことなんだよ! そして、相手にも女の子の気持ちを軽く考えないように釘を刺すっ!」

七夏「ここちゃー! 釘は刺さなくても!」

心桜「んだけど、バレンタインデーというイベント自体は大いに利用すればいいと思う!」

笹夜「利用?」

心桜「はい! バレンタインデーの少し前から、その話題をして、渡したい人が居る事をアピールする。そして、『○○君ってイチゴとか大丈夫?』と訊いて、チョコを渡そうとしているかのように仕掛ける。んで、バレンタインデー当日、何もしないっ!」

七夏「え!?」

笹夜「まあ!」

心桜「この『仕込みだけしておいて渡さない戦術』は、それなりに相手に精神的ダメージを与えると思うよ。もし自分が本命だったとしたら、しばらく立ち直れないくらいになるかもね!」

七夏「ここちゃー怖いです・・・」

笹夜「そこまでしなくても・・・」

心桜「怖いって『想いを込めて』の事なんだけど!? あくまでも、釘を刺す必要があるなと思った時の場合だよ!」

笹夜「では・・・」

心桜「最初から、素直に喜んでくれる人なら、わざわざそんな事はしないよ・・・あたしが気持ちを伝えたい人って、そういう人って事!」

七夏「こ、ここちゃー!! 気持ちを伝えたい人が居るの!?」

心桜「え!? なんでそうなんの?」

笹夜「七夏ちゃん、例え話です♪」

心桜「笹夜先輩! そう決め付けられるのもちょっと・・・」

笹夜「あ、すみません・・・」

心桜「まあ、いいや。だけどね、あたしが『イチゴとか大丈夫?』って訊いたんだったら、バレンタインデーが過ぎて2~3ヶ月後に『新鮮なイチゴ』を渡すよ!」

七夏「2~3ヶ月後?」

笹夜「イチゴの旬の季節ですね♪」

心桜「そう! 『おいしいイチゴだよ!』ってね!」

七夏「なるほど♪」

心桜「自分が話した事は守らないとねっ!」

笹夜「その辺りは、さすがですね♪」

心桜「という事で、ココナッツ的結論!『相手によっては渡せないという気持ち』を渡そう!」

七夏「えっと、いいのかな?」

笹夜「まあ、そういう事なら」

心桜「それと、義理チョコなら渡さない! 友チョコまでなら渡す!」

七夏「それって!?」

心桜「だって、義理なんて面倒なだけだもん」

笹夜「なんと申せばよいのかしら?」

心桜「つっちゃーが義理チョコ渡してるの見た事ないし・・・本命も見た事無いけど」

七夏「えっと・・・その・・・」

心桜「という事で! ちょコミックスさんもご参考になったかな? あくまでもあたしたちの個人的な意見だから、最終的には、ちょコミックスさんが決断してよねっ!」

笹夜「助言ではないという事かしら?」

心桜「っそ! あたしたちが決める事じゃないからね!」

七夏「・・・・・」

心桜「ん!? どしたの? つっちゃー?」

笹夜「七夏ちゃん♪ 頑張ってね♪」

七夏「え!? えっと・・・」

心桜「おぉ! そうか! ちょコミックスさんも、つっちゃーも、ガンバレンタイン~♪」

笹夜「まあ♪」


随筆十一 完


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随筆十一をお読みくださり、ありがとうございました!

本編の方も鋭意制作中ですので、どうぞよろしくお願い申しあげます!

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