ドロォオオっと溶けて

君は暑さにやられたようだ

ドロォオオっと溶けてしまった

僕も一緒に溶けるよ

ちょうど暇だし(笑)


二人して、ドロォオオ

ドロォオオ ドロォオオ ドロォオオ

二人はドロドロと、スライムのようになりました


はい、彼はもう声を発することができません

もう、言葉を考えることすら

感情を持つことすらできないのです

ええ、私は神です

しがない、お話の神です

アルバイト形式で、三人称を務めています

はい、バイトです(笑)


私は今回、彼の代わりに状況をお伝えします

それがすごいんですよね、彼ら

彼と彼女が溶け合っているんです

溶けて、蕩けて、混ぜあって

「混ぜるなキケン」

とでも書いた方が良かったでしょうかね


まぁ、溶けてしまったらしょうがない

溶けてしまったら、もう二度と戻せません

そもそも、人間は溶ける生物ではありません

あ、溶ける生物っているのかな……

ちょっと気になったので、図鑑を取りに行ってきます


はい、こんにちは 私は女神よ

アルバイト代理で来たの 

もう今日は合コンだったっていうのに

急に先輩から「代わりやってくれ」なんて言われて

え、何? 彼はどこか?

彼は図鑑に夢中になって、もう戻ってこないわ


それで、何をやればいいの?

え、あのきっもちわるい生物のことを話せ?

いやよ、もう帰る 

もう来るだけ無駄だったわ


そうして、話は終わった。

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