第4話 平和な世界のその先は…
それからしばらく時間が経ちました。平和だった湖はどうなったでしょうか?
覗いてみると一面、紫色の藻で濁っています。あれだけたくさんいた魚たちは見当たりません。
どこからか湖の異変を耳にした人間の研究者がやってきてその湖の調査に入りました。紫色の藻の採取に加えて、湖の底からは大量の紫色をした魚たちの死骸が出てきました。
そして藻の解析結果から、この藻からはある種の毒素が見つかりました。
その毒素は微量でも敏感な個体の魚に対しては非常に強く影響するものでした。
また通常の個体でも継続的に摂取することで中毒状態となり興奮状態が強まり、攻撃性が増すことが分かりました。毒素は体全体に回ることで死に至るものでした。
そして毒素を持つ藻は、毒素が回った魚の死体が湖の底で腐ることが原因で発生することが分かりました。
もしかしたら、一番始めに行方不明になった魚が突然変異して毒素を持った藻を口に含んでしまい、死んだことから発生したのかも知れません。魚自体がどこかの時点でおかしな状況になっていると気が付いていたら、全滅は避けられたのかも知れません。
平和で魚の楽園だった湖が、いつの間にか何もいなくなってしまったというお話。
おしまい。
お魚と紫の藻 ゆたりん @nirakuyu
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