第3節「港、その周辺」

40「御免ライダー」

 研介達はトラックに乗った。

 門が開き、ゆっくりと走り始めた。

 門を抜けると、ゾンビだった。

 それらをはねながら進んだ。

 『飛ばします』

 『分かってるが、もう少し落としてくれ』

 メリオはいつもより抑えてアクセルを踏み込んだ。

 時速は105キロ、このトラックの最高速度は125キロだ。

 『ところで、そのアンブルク港はどうゆう所ですか?』 

 『観光として栄えた港だ。綺麗ではないが、良い所だ。こうなる前は俺も何度か来ていた』

 『私はあまり行きませんでした』

 『そりゃお前休日全部アクロバティックドライブだろ』

 談笑しながらしばらく走った後だった。

 『研介さん、何か付いて来ていませんでしょうか?』

 研介はメリオのその言葉に反応し、後ろの布を開けた。

 バイクが7台、トラックを後ろから包囲するように走っていた。

 銃声2度鳴り、タイヤがパンクしスリップを起こした。

 トラックはそのまま横に滑り、建物の壁に激突した。

 研介達はトラックから出て、ゆっくりと立ち上がった。

 幸い、傷はあまり受けなかった。

 『ヒャッハー!』

 男達はバイクを研介達に向かって走らせた。

 研介達は避けた。

 それを追うようにバイクを走らせ、研介達の隊列を乱した。

 男達のうちの3人が舞と優理をかっさらい、近くの建物へ入った。

 あたり一面にはバイクの音が響き渡っていた。

 『轢かれろ!』

 その男は愛美に突撃した。

 しかし、タイヤめがけて銃弾が放たれた。

 信太が撃った。

 『な!?』

 その隙に、愛美は顔面に向かって回し蹴りを入れた。

 その男はハンドルから手を外し、バイクから落ちた。

 愛美は更に、その男のあごを蹴った。

 その男は気絶した。

 「ライダーにキック入れやがった」

 信太は小声で言った。

 『くっ!コノヤロウ!馬鹿野郎!』

 ジェイムズは走っていた。

 隣には、並走している男がいた。

 だが、そこまで速くはない。

 男はナイフを次々に振り下ろした。

 だが、かすりもしなかった。

 『何なんだよ!』

 男が前を向いた瞬間、目の前には、機械があった。

 龍一がラリアットをすると、男はバイクから落ち、そのまま気絶した。

 ジェイムズは嬉しそうに、龍一は微笑み、ハイタッチをした。

 メリオはそのバイクに乗った。

 ジョンはまた別の男に銃を構えて言った。

 『止まれ!』

 『撃てるもんなら撃ってみな!』

 男は挑発するようにそう言うと、ジョンに向かって突撃した。

 ジョンは1発、バイクに向かって撃った。

 男は怯み、止まった。

 すると横からメリオがドリフトのようにしながら、前輪を男の乗っているバイクの後輪に引っ掛けた。

 2台のバイクはそのまま転倒、ジョンは男に向かって銃口を押し付けた。

 『手を上げろ』

 男はバイクの下敷きにならなかった。

 手を後頭部で組んだ。

 『おい、メリオ大丈夫か?あの方法危ねえぞ!』

 メリオは立ち上がった。

 『まあ、すんません』

 『何回言えばいいんだが』

 『後1人、ん?あれやばくないですか?』

 メリオは後1人を指さした。

 『本当だ』

 そのバイクには、チェンソーが2個ついていた。

 そして、研介めがけて突撃した。

 距離はかなり空いていた。

 「大斗さん!」

 研介はアンダーハンドパスのように手を組むと、大斗はそれを踏み大きくジャンプした。

 そのまま大斗は男の頭を蹴った。

 研介は身をかがめた。

 チェンソーの刃が背中に背負っていた盾にかすれた。

 そして大きく下がり、起き上がりながら男の頭に蹴りを入れた。

 男は気絶した。

 「大丈夫か?」

 大斗は研介に尋ね、研介は一言、ええ、と言った。

 建物の入り口に集まった。

 「この間わずか5秒」

 「5秒は無理だ」

 「さて、入りましょう」

 研介は扉を開け、クリアリングを行いながら入った。

 後から続く3人、愛美、大斗、メリオもそうした。

 何かの店だろうか、1周年の文字が至る所にあった。

 男は全員倒れ、舞は震えている愛美を揺さぶっていた。

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