37「神の称号」

 そしてゲームが終わった。

 天井を眺め、信太は息を整えた。

 画面には、「you win」の文字。

 着弾したところは腹部だった。

 信太はぎりぎりのところで勝利した。

 『危なかったぜ……次が最後だな』

 『ああ。どちらが上か、ここで決着を付けようじゃないか』

 『いいぜ。思う存分戦おう』

 第3ゲームが始まった。

 ステージは中央にストリートがあり、その両脇に廃ビルが並んでいるステージだった。

 ストリートにも、車があったりが瓦礫が落ちていたりしていた。

 2人はりスポーンすると、真っ先にストリートに出た。

 そして、互いに走っていった。

 信太はジャンプをし、瓦礫を飛び越えた。

 そこには伏せているジョエルがいた。

 2人はほぼ同時に撃った。

 先制点は信太だった。

 その後も激しい攻防が続いた。

 5対6。

 信太はビルの中を走っていた。

 外を見てもジョエルは見つからなかった。

 視線を通路に戻した時だった。

 横方向から銃弾が放たれ、信太はポイントを取られた。

 ジョエルがいたのはそのビルの屋上。

 そして信太の位置を予測し、飛び降りて撃った。

 もちろんジョエルも死亡した。

 しかし、ポイントには入らなかった。

 「ゴルゴかよ……」

 観客からは歓声が湧き上がった。

 その後は信太が巻き返し、9対8となった。

 ジョエルはリスポーン後、しばらく経って撃った。

 その弾は信太の足に当たった。

 ジョエルはもう一度撃った。

 信太もジョエルの方に撃った。

 しかしどちらとも当たらなかった。

 2人は徐々に距離を近づけた。

 そしてお互いが見えたとき、信太は撃つが、ジョエルは咄嗟に避けた。

 弾は当たらなかった。

 信太は後ろに引いた。

 ジョエルは行動を起こさなかった。

 信太は走り、ジョエルがいるであろう所に出た。

 しかし、そこにはジョエルは居なかった。

 咄嗟に後ろを振り向いた。

 ジョエルは居なかった。

 信太は撃った。

 もちろん当たらない。

 そして走った。

 ジョエルはストリートからその音のした方へ向かった。

 信太は伏せ、ジョエルを待った。

 ジョエルがスコープの中に僅かに映った。

 信太は撃った。

 頭に当たり、ポイントを得た。

 そして14対13。

 信太の弾丸がジョエルの頭に当たった。

 勝利したのは信太だった。

 観客から、歓声と拍手が湧き上がった。

 2人は椅子から降りた。

 『信太。どうやらお前の方が上だったようだ』

 『いや、そうじゃないぜ。俺とお前の力は五分五分、また戦おう。神の予測者』 

 『ああ』

 2人は握手を交わした。

 観客の激しい歓声と拍手の中で。

 手を離す。

 「信太さん!」

 「おお、研介と優理」

 2人は信太に駆け寄った。

 『研介と言ったか?』

 『そうだが?何だ?どうかしたか?』

 『何ですか?』

 『お前、確かでかいカラスと……』

 研介ははっとした。

 『まさか、あの時カラスを殺したのは』

 『ああ、俺だ』

 3人はそれを見た。

 ジョエルの背中に乗っている、2つのスナイパーライフルを。

 『それは?』

 『ああ、これか。SRとアンマテだ』

 『アンマテってお前。本気で!?』

 『それより腹減ってないか?食堂で飯がある』

 『私たちが行って大丈夫?』

 『大丈夫』

 研介たちは食堂へ向かった。


 一方大斗と龍一、舞とジェイムズは部屋を出ていた。

 T字の通路で大斗は少年とぶつかった。

 デジタルカメラを持った幼い少年だ。

 『大丈夫か?』

 大斗は手を差し伸べた。

 少年は手を伸ばし、それに捕まった。

 『ありがとう』

 『カメラ、好きなの?』

 『うん。大人になったらカメラマンになるんだ』

 『そうか、頑張ってな』

 少年はすると、どこかへ去ってしまった。

 『頼みごとをする』

 今度はどこかからウォルターが出てきて言った。

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