21「うわしょうねんつよい」

 大斗達は南東へと進んだ。

 「大斗さん、あの人はどうゆう人なんですか?」

 「俺に柔術と力を付けてくれた人だ。」

 「何でそんな人と知り合いなんだよ。」

 「…実はな、俺の中学の時地震が起きた。」

 「南海トラフですか?」

 「そうだ、それで俺は津波に襲われ、気付いたら刑務所にいた。」

 「ムショ!?」

 「ああ、その時助けてくれた人が師匠だった。」

 「何であの人はムショに居たんだ?」

 「理由は忘れたが、確か無期懲役だった。」

 「一体何をしたんだろうか。」

 「刑務所が壊れ、多くの囚人が脱走したが、師匠は逃げず、更に俺を助けた功績で釈放された。」

 「良い人になったんですね。」

 「それがきっかけで教えてもらったんだ。」

 大斗達は先へと進んだ。



 研介達は涼の部屋に戻った。

 研介と翆玉ベリルは、それぞれ愛美と涼に怒られていた。

 「何であなたは幼女に走っていくのよ。少しは考えなさい。」

 「あのさぁ…君はもうちょっと考えるという事ができないのか?」

 それを優理と研介、香奈は見ていた。

 「ねえねえ、大人になっても怒られる事があるの?」

 香奈は優理に聞いて、優理は肯定した。

 「研介さんいいな。」

 龍一が小声で言った。

 それを聞いていた優理は、

 「変態多すぎ。」

 と、小声で言った。


 昼食になった。

 「ところで、涼は警察官になれそうだったのか?」

 「まあね。それなりに努力してたから。」

 「研介お兄ちゃん。」

 「どうした?」

 「これ、食べて。」

 皿を研介の前に出した。

 皿の上にはピーマンが5個残っていた。

 「3個食べるから、2個食べて。」

 「えー。」

 「ほら、お前なら出来る。頑張れ。」

 「分かった。頑張る。」

 「仲良いっすね。」

 昼食を食べ終わった。

 「加山さん、失礼な事を聞きますが、あなたに母親はいましたか?」

 涼は聞いた。

 香奈は別の部屋に居った。

 「育児放棄して、逃げた。」

 「そうですか。すみません。」

 「大丈夫だ。」

 「何でそんな事を聞いたの?」

 「15年前に起きた、とある事件の被害者の子供が、加山さんと同じだったからです。」

 「どんな事件かしら?」

 「加山葵という女性が消失した事件です。未解決のまま終わり、遺体は見つからないまま終わりました。」

 「それでその子は?」

 「その子の父親は見つからなかったので、祖父に預けたそうです。」

 「加山葵、確かに俺の母さんの名前だ。」

 「え!?そうっすか!?」

 「ああ、そして俺は祖父の所に預けられた。」

 「父親はどうしたんですか?」

 「父親は知らない。」

 その時だった。

 部屋の窓に、血が付いた。

 「な、何!?」

 「見てくるっす。」

 翆玉ベリルはベランダに出た。

 「な、なんだこれ!」

 研介達はベランダを見る。

 「どうした!?」

 そこには頭が転がっていた。

 「誰か居るのか?」

 「行きましょう。」

 研介達はアパートの外に出た。


 慎重に進む。

 道路に1人、黄色い服を着た少年が立っていた。

 その周りは死体。

 「誰だ!」

 研介達は銃を向けながら近寄った。

 「誰?」

 少年は言った。

 「キャアアアアアアアアアア!シャベッタアアアアアアアア!」

 「優理うるせえ。」

 「私達は自衛隊よ。」

 「銃持ってる。敵。」

 「え?」

 少年は跳んだ。

 そこら辺の家の壁に着地し、また跳んだ。

 そして勢いをつけ、研介に蹴りを一撃入れた。

 研介の体は吹き飛んだ。

 ゆっくりと上半身を起こした。

 「愛美さん、離れてて下さい。」

 「え!?でも?」

 「これはやばい奴です。」

 「わ、分かったわ。」

 愛美達はその場を離れる。

 研介は立ち上がった。

 「長くなってごめんな。んじゃあ行くぞ!」

 思いっきり前に出るが、殴られる。

 吹き飛ばされ、追撃で殴られる。

 「何で?死なない。」 

 「俺をそこら辺のゾンビと一緒にするな。」

 反撃に出た。

 しかし、攻撃は全て避けられた。

 少年は連続して攻撃をした。

 研介の体は壊れ、その都度回復する。

 「死んで。」

 その時だった。

 少年の手が、研介の体の一部にめり込んだ。

 「捕まえたぞ。」

 研介は少年を連続で殴った。

 少年の手が離れ、少年は距離を取った。

 そして研介に向かった跳んだ。

 「ここだ!」

 研介は拳を前に出した。

 その拳は少年に当たった。

 「流石に空中じゃ移動できないな。」

 少年は跳ねまわった。

 研介は壁際に走った。

 少年は研介に向かい、背中に蹴りを繰り出した。

 研介は後ろに蹴り、見事少年に当てた。

 少年の体は後ろに吹っ飛んだ。

 「お前が素早く来れば来るほど、俺の攻撃も素早くなる。お前の攻撃は、もう見切った!」

 少年は立ち上がると、ボウガンを取り出し撃った。

 矢は真っすぐ研介へと向かった。

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