13「洞窟には必ずあるあれ」

 階段を上がり、先へ進む。

 「お2人はなぜ自衛隊に入ったんですか?」

 「確か…治癒力が高いから。だけど試験で答えたのは普通の答え。」

 「何となくよ。試験で答えたのはやっぱり普通の答えよ。」

 愛美は少し考えた後言った。

 「自衛隊はどうやったら入れるんだ?」

 「専門学校があって、そこに入りますよね?」

 「ええ、そうよ体力だけじゃなく、学力も必要よ。」

 「やっぱりどこ入るのにも勉強か。」

 佐々木は頭を抱えた。

 「いや、世界崩壊したから別にいいじゃないですか。」

 「お前らはどこの高校に行ってたんだ?」

 「お前らって、もうちょと敬語とか使いなさい。」

 愛美は呆れた様子で言った。

 「いや、普通の高校だけど。」

 「私もよ。」

 「お前は?」

 「私ですか?私はその頃は頭が悪かったので、筑山に通ってました。」

 筑山高校とは、不良がよくいる学校である。

 「マジで!?」

 佐々木はスポーツ推薦で高校に入った。


 一方その頃、待機組。

 こちらも同じような話をしていた。

 「FPSやってても行けねえよ。」

 「やっぱり。」

 「私は一般的な方法で入った。大斗もだよね。」

 「ああ。」

 「何で入ろうと思ったんですか?」

 「多くの人の命を救いたい、それだけだ。」

 「真面目だねー、私は戦闘機操縦したかったから入った。」

 やはりこの人はずれている、全員が思った。

 「信太は何をしてるんだ?」

 「トラックの運転手をしている。」

 「トラック…何か意外です。」

 「てっきり自宅警備をしてるのかと。舞はどうゆう所に通っていたの?」

 「私ですか?私は私立の英語科に通っていました。」

 舞は推薦で入った。


 閑話休題。

 研介達が通路を進んでいた時のことである。

 ゴゴゴゴ―

 「ん?」

 「どうかしましたか?」

 「何か音がしたんだが…」

 「そうね、後ろの方からするわね。」

 「何だ?」

 後ろの方を向くと、丸い岩がものすごい速さで迫ってきていた。

 「走れ!」

 全員が全力で走る。


 走っていると、曲がり角に到着した。

 「曲がれ!」

 全員は飛び込むように曲がり角を曲がった。

 「危ねえ。」

 「ホント、どうゆう仕組みなのよこれ。」

 立ち上がり先を見ると、階段があった。

 しかし、手前に深い穴がある。

 「おい、これなんだ?」

 佐々木の方を見ると、機械が置いてあった。

 「これは何でしょう?」

 「この穴に橋を架けるんじゃないか。」

 「でもこれ、全く動かないぞ。」 

 佐々木は機械のボタンを押すが、動く気配がない。

 「バッテリーが無くて動くはずがないでしょう。」

 見ると、バッテリーがはまるであろう場所は空いている。

 「しょうがない、探そう。」

 研介達はバッテリーを探すため、別の道へと進んだ。


 行き止まりまで行った。

 そこには扉が2つあった。

 「扉が2つ、左から行こう。」

 そう言って左の扉を開けようとするが、開かない。

 「鍵が掛かっているようですね、右に行きましょう。」

 右の扉は開いた。

 中は資料が詰まっていたが、鍵を見つけた。

 鍵を使い、左の扉を開けた。

 中は水が溜まっており、その中央に橋が架かっている。

 橋を渡り、中央辺りに来た時だ。

 「うわっ!!」 

 研介は何か触手のような物に掴まれ、水の中へと引きずり込まれる。

 研介はナイフを取り出し、その触手を切る。

 「ぶはっ!!」

 すぐさま水から上がる。

 「大丈夫ですか?」

 「ああ、大丈夫。」

 「伏せて。」

 愛美は水の中にグレネードを投げ入れる。

 水柱が上がり、茶色だった水は赤色へと変わる。

 「これで大丈夫だな。」

 佐々木は自慢げに言った。

 「何でお前がそんな態度なんだよ。」

 橋の向こう側にはバッテリーがあった。


 穴の所に戻った。

 機械にバッテリーを入れ、稼働させる。

 橋が架かる。

 研介達は階段を上がり、3階へと進んだ。

 

  3階に上がり先へ進むと、男性が倒れていた。

 全身血だらけで、今にも死にそうだ。

 「大丈夫ですか!?」

 「逃げ…ろ…」

 男性は弱々しく言った。

 「え!?」

 「奴らが…来る。」

 「奴らって何だ!」

 「この…事件の…首謀者…」

 「誰ですか!」

 その時、1発の銃声が鳴り響き、男性は頭から血が飛び出して死んだ。

 「誰!?」

 黒い影は逃げて行った。

 「待て!!」

 研介達はその影を追いかけた。


 洞窟の外まで追いかけたが、そこに奴らはいなかった。

 「見失いましたね。」

 「そうだな。とりあえず大斗達に連絡をしよう。」

 研介は大斗に無線を掛ける。

 「こちら大斗。」

 「こちら研介。洞窟を出ました。大体1本道なので迷わずに来れます。」

 「分かった。今からそちらに向かう。」

 研介が無線を切ったその時だった。

 森の方から大きい蜘蛛が出て来た。

 蜘蛛は研介達に気付くと、威嚇をし、研介達に向かって行った。

 蜘蛛は龍一に突進をするが、龍一はそれを回避した。

 すると、蜘蛛は糸を出した。

 糸は真っすぐ飛び、研介に当たった。

 「クソ!動けない。」

 粘着が強く、糸はほどけない。

 蜘蛛は研介に近づくと、牙を出し、研介に牙を刺す。

 「させるか!」

 銃を撃ちまくる。

 蜘蛛は牙を少し刺したところで怯んだ。

 傷は深かったが、すぐに治った。

 「大丈夫?」

 「ええ、大丈夫です。」

 研介達は銃を撃ちまくる。


 蜘蛛は愛美に突進をしたが、愛美はスナイパーライフルを構え、蜘蛛の目を狙い撃つ。

 弾丸は見事蜘蛛の目に当たり、蜘蛛は倒れた。

 「死ねえ!」

 佐々木が蜘蛛の上に上がり、日本刀を頭と胸の間に刺す。

 蜘蛛は動かなくなった。


 大斗達が到着した。

 「このまま先を行けば、サービスエリアに行けるんですよね。」

 「ああそうだ。」

 「てか、何この蜘蛛。」

 大斗が蜘蛛の死体を見ていった。

 「ああ、それですか。ちょっとありまして。」

 「まあいいや。」

 研介達は高速道路を進んだ。

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