11「日常な会話」

 少し時間がたった時だった。

 「う、うう、ここは?」

 気絶していた佐々木が起きた。

 「起きたようですね。」

 「お、お前らはあの時の。お、俺をどうするつもりだ!?」

 「別にどうもしねえよ。」

 「嘘だ!」

 「嘘じゃねえよ。お前はどこのレナだ。」

 「うるさいから少し寝ててくれ。」

 「分かった。」

 佐々木は横になった。

 「いや、寝れねえよ。」

 そして起き上がった。

 「そりゃそうだよ。」

 「こっちは色々聞きたいことがある。」

 「なんだ?」

 「まず、学校にはどうやって来た?」

 「バイクにでけえ包丁とかつけて来た。」

 「バイクにか。どんな?どのくらい?」

 「え、よく分かんねえけど、かなりでけえ奴。」

 「出刃包丁か。」

 佐々木は大斗に指を指して言う。

 「そうそうそれそれ。7個ぐらい付けた。」

 「よくそんなにあったな、どこにあった?」

 「近くにホームセンターがあった。」

 「チェンソーもそこからなのか?」

 「ああ。」

 「何で学校に来た?」

 研介は続いて聞いた。

 「好き勝手したかったから。」

 「全く、何でこんな奴が生き残るんだよ。」

 大斗はやれやれといった感じに言った。

 「銃は使えないだよな?」

 「ああ。」

 「適当に人数居る所に放すけどいいか?」

 「せめて放す所は選ばせてくれ。」

 「分かった。いいだろう。」

 3人はそんな感じに話していった。 




 龍一は和室にいた。

 「あった。これが日本刀か、すげえ。」

 龍一は置いてある日本刀を眺めながら言った。

 それを手に取り、振り回した。

 「おおお、すげえ。」

 刀を鞘に納める。

 「一応ここに置いていくか。」

 龍一は刀をその場に置いた。




 一方、優理と信太は話をしていた。

 「やっぱり姉キャラだろう。」

 「いやいや妹キャラだよ。」

 「姉キャラのデレが良いじゃないか。」

 「妹キャラのツンが良いんじゃん。」

 「姉は大抵胸が大きい。」 

 「そうとは限らない。そして妹にも胸が大きい人はいる。」

 「何を話しているんですか?」

 と、呆れた様子で龍一が戻ってきた。

 「龍一は姉と妹どっちがいい?」

 「ああ、お前の意見を聞かせてくれ。」

 「え、どっちでもいいと思うんですが…」

 「いいわけないだろう。」

 「どっちがいいの?」

 「もう幼馴染でいいですよ。」

 優理と信太は同時に言った。

 「なん…だと…」

 「お前はメインがいいというのか?」

 「サブにしかない良さがあるんだよ。」

 2人は必死に言う。

 「いや、そんなに必死に言われましても…そもそも何でそんな話をしているんですか?」

 「何でだろう?」

 「さあ?」

 「はあ…」

 龍一は呆れた様子でため息をついた。


 



 キッチンでは、愛美と舞が晩御飯の準備が進め始めていた。

 「今夜は何にしようかしら?」

 冷蔵庫を開けながら愛美は言った。

 「優理さんはどうしたんですか?」

 「彼女は呼ばない方がいいわ。」

 「どうしてですか?」

 「彼女が作った飯はまずいからよ。」

 「そうなんですか。」

 「ええ、彼女の料理よりレーションの方がおいしいってくらい。」

 「そうなんですか…」

 「舞はどうなの?」

 「何がでしょうか?」

 「何って、料理よ。」 

 「料理は出来なくはないですが、あまり人に自慢できる物ではないですよ。」

 「大丈夫よ、どうゆう料理でも黙って食うわ。」

 「いや、かの佐々木さんがいるんですが…」

 「…大丈夫よ。」

 2人は調理を始める。




 調理が終わり、食卓に出てきた。

 肉じゃがや、唐揚といったごく普通の料理だ。

 「いただきます。」

 「あの、一つ聞いてもいいかな?」

 「何だ?」

 「この人誰ですか?」

 信太は佐々木を指さした。

 「あれですか?あれはとある学校で有名な佐々木です。」

 「いやあ、それほどでも。」

 「なお、どんな事で有名かは隠しておこう。」

 「いやあ、バカと天才は紙一重って言うからな。」

 「何で隠してあげたのに自分で言うのよ。」

 「ほら、あのゲーム機開発した人だって。」

 「あの人は天才であり、バカですが、佐々木さんは違います。」

 「な、なんだってー。」

 「何だってーじゃないですよ。」




 「てか、この肉じゃが上手いな。誰が作ったんだ?」

 「え、私ですが。」

 「マジで?上手くない、優理ちゃん。」

 「そ、そうですかね?」

 「あら、おいしいわね。(負けた)」

 「俺もこのくらいおいしいがな。」

 「マジで!?」

 全員が驚いた。

 「ああ、そうだよ。」

 「嘘ですよね、大斗さん。」

 「いや、本当。」

 「この人凄いですね。」




 「ごちそうさまでした。」

 皿の上は、ほとんど空になっていた。

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