第2節「地下」

10「地下道」

 降りた先には、小部屋があった。

 「さっきのは…」

 「アイツ、チェンソーを受け止めやがった。」

 「さすが突然変異。」

 「突然変異の定義って何だったんでしょうか。」

 「そういえば、さっき校長室でこんな物を拾ったわ。」

 愛美は手帳を取り出して広げた。

 「何か書いてあればいいんだが。」


  あなたがこれを読んでいる時は、私はこの世に居ないでしょう。

  今日、とあるニュースが飛び込んできた。

  お判りでしょう、そう、例の事件。

  私は始めは信じていなかったが、実物を見た時は、もうどうなることかと思った。

  私はその後、逃げる時に銃を拾った。

  これから屋上に行く。

  それと、これを読んでいる人に、私の家の鍵を譲る。

  和室に日本刀がある。

  役に立てばいいのだが。

  場所は地図の通りだ。


 「行き場所は決まったな。」

 「てか、その前に色々聞きたい事があるんだけど。」

 「何ですか?」

 「誰あれ。」

 優理はその人を指す。

 「ああ、あれか。」

 「あれは佐々木だよ。」

 「佐々木って、まさか…」

 「あのバカなやつですか、生き残ってたんですね。」

 「そのようね。」

 「聞きたいことはそれだけか?」

 「いや、まだあるよ。」

 「そうか。」

 「「そうか。」って言っている人の、服の袖はどうしたの!?」

 「ああ、これ、チェンソーで切られた。」

 「切られた!?」

 「だ、誰にですか!?」

 「そこで寝てる奴だ。」

 「え!?何で腕あるの!?」

 「治ってた。」

 「治ってた…か。」

 龍一がそう呟いた。




 「それにしても、あのダリエルってのは一体…」

 「アイツが言っている事も、嘘か本当かは分からないしな。」

 「そうね、あのサングラスの男は何なのかしら?」

 「サングラスの男?誰ですか?」

 「バリケードを壊した男だ。」

 「そんなの、今考えてもしょうがないよ。」

 「そうだな、2度と会わなければ良いんだけれど。」

 「舞ちゃん、何でそんな所で座っているの?」

 優理は舞の所へ行き、手を差し伸べる。

 舞は手首を掴み、顔を上げる。

 「!?」

 泣いていた。

 「怖いよ。」

 「へ?」

 「もうあんなの見たくない。お願い、隣に居て。」

 「居るだけでいいの?」

 「うん、隣に居て。お願い、何でもするから。」

 「ん?今何でもすr」

 「展開を台無しにするつもりか!」

 「…はい、すみません。」




 「それじゃあ、これから探索に行く。愛美と優理、舞はここで待機してくれ。」

 「あ、そうだ、チェンソーとLMG貸してくれない?」

 「いいけど、何に使うんだ?」

 「大丈夫、いい物になって返すから。」

 「まあいいか、ここに置いとくからな。」

 大斗はチェンソーとLMGをその場に置いた。

 「それじゃあ、行きましょう。」

 3人は小部屋を出る。



 とある部屋に着いた。

 隅に紙が落ちていた。


  老いた者は若者の隣に居り、守られる。

  外道は犬を使い、彼らを襲う。


 「何の事でしょうか?」

 「分からないな。」

 「他の部屋に何か有るかもしれません。探してみましょう。」

 研介達はその部屋を後にした。




 道中もゾンビが現れ、倒していく。

 ゾンビの中には何か持っているのもいる。

 その中に、メダルを持っているゾンビがいた。

 そのメダルは若者の絵が描かれていた。

 メモも持っていた。

 メモの内容はこうだ。


  時が過ぎ、老いた者が亡くなると、若者は妻を持ち、子供を作り、守る。

  外道は変わらない。


 研介達はそれらをじーと見る。

 「さっきの紙と何か関係があるようだが。」

 「分かりませんね。」

 「どこかにメダルをはめる所があるのかも。」

 「そうだな、探そう。」




 地下道を進むと、若者の絵が描かれたドアがあった。

 ドアノブの下には、何かをはめる丸い溝があった。

 「ここにメダルをはめるようですね。」

 研介は若者のメダルをはめる。

 ドアを開けると、中には犬の絵が描かれたメダルがあった。

 もう一つ、カードキーもあった。




 更に地下道を進むと、鍵のかかった扉があった。

 ロックを解除し、中に入った。

 「ここは制御室のようですね。」

 「この機械で水の流れを制御するのではないでしょうか。」

 その機械のモニターには、4つの絵が映されていた。

 左から順に、若者、女性、子供、外道。

 大斗が画面に触れる。

 画面の絵が移動する。

 「こいつ…動くぞ。」

 「このメモの順にするようですね。」




 「これでよし。」

 左から順に、子供、女性、若者、外道にした。

 しばらくすると、画面に「Bルートにしました」と、映された。   

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